失敗するマンション購入、4つの悪手。近隣トラブル、離婚、破産…
2)家族の意向を無視した購入をして、家族がバラバラ
マンションは、住まいであると同時に資産でもあります。どうせ買うなら、これから値上がりが期待できるマンションにしたい。そう思って、これから街が開発されていく物件を狙う人がいます。
もちろん、夫婦間で価値観が合っていればいいのですが、夫だけが“マンションの資産価値”という言葉に振り回されてしまい、奥様の意向をまったく無視して勝手にマンションを決めてしまって憤慨されたという事例、私は何件も知っています。
衣食住、人にはそれぞれ嗜好があります。どこに住むか、どのような物件に住むかは、人生観が色濃く反映されるものです。住まいは自分だけでなく、パートナーも長い時間いる場所。それを忘れてしまうと、住まいに対する価値観の違いでケンカが起こり、最終的に離婚につながるケースもあります。ですから家を買う前にまずは、パートナーとの意見のすり合わせが大事なのです。
3)共働き家庭が住宅ペアローンを組むが、その後離婚して…
①のように、夫婦で住宅ペアローンを組むと、離婚も簡単にできなくなります。結婚関係を解消したからといって、債務も解消するわけにいかないのです。
夫婦がそのまま住宅ローンを払い続けるならいいのですが、そのような関係はなかなか難しいでしょう。そのままどちらか(例えば夫)が住み続けるには、一方が(妻の)ローンを現金で買い取るか、もしくは借り換えて(夫が)一本にまとめるかの選択を迫られます。
一方の収入だけでは足りないからペアローンで組んでいる場合は、財産分与もありますし、ローンの買い取りも借り換えも厳しい道でしょう。となると、売却しかありません。
しかし、夫婦合算の残債合計が住宅の市場流通価値を上回っていた場合、つまり売っても借金が残るような状態の場合、売却して残った住宅ローンの現金を支払わなければ、売却を銀行から認めてもらえません。手持ち現金に余裕がないと売るにも売れず、離婚したいのだけど、どこまでもマンションが足を引っ張る、ということになりかねません。
ペアローンを組む場合は、夫婦円満が何よりも大事です。