期限切れの薬を飲んでも大丈夫?知っておきたい常備薬の使用期限
新年度が始まったこの時期、部屋の整理整頓と一緒に、古くなった身の回りのモノを新調する人も多いだろう。しかし、身近にあるモノのなかには「いつまで使っていいのかわからないモノ」も多いのではないだろうか?
そこで今回、そんな身の回りのモノの“買い替えどき”を、専門家たちに指南してもらった。
あまった薬はいつまで使って大丈夫?
購入後、一度では使い切れない常備薬。気づけば、いつ買った薬かわからないとの事態も起こりがちだ。薬剤師の長澤育弘氏に薬の買い替えどきを聞いた。
「薬局などで売られている医薬品には、錠剤から軟膏、包帯に至るまで、必ず使用期限が箱に書いてあります。だから、その期限を過ぎたら買い替えのタイミングです」
期限切れの薬を飲むと、どんなリスクがあるのだろうか。
「時間とともに薬効成分が減少し、効果が薄れるのもデメリットですが、最大のリスクは、薬のせいで深刻な副作用が出ても、国の”医薬品副作用救済制度”が使えない可能性がある点です。いかに正しく使っても、医薬品の副作用は発生する可能性があります。深刻なものだと、アナフィラキシーショックを起こして重体になることも。入院や治療を要するほど重度の被害が出た場合は通常、国から補償が出ますが、期限外の医薬品の場合は、不適正な使用とみなされ、補償が出ない可能性が高いです」
意外と知らない目薬の使用期限
確率自体は低くとも、副作用は”100%起こらない”はあり得ない。仮に副作用で膨大な治療費がかかっても、期限切れの薬の場合は補償は出ない。なお、これは病院で処方される薬でも同様だ。特に、こちらは期限が記載されているわけではないので、「処方期限内に飲み切らなかった薬は飲まない」とのルールを徹底したい。
「期限内であっても、早期の買い替えを検討すべきが目薬です。錠剤などに比べて、液状の薬は水分が多いまつげなど目の周りは雑菌が多いため、目薬は雑菌が繁殖しがちです。雑菌だらけの目薬を使用するのは、自分で雑菌の塊を目に点眼しているようなもの。結膜炎などの感染症を引き起こす可能性もあります」