オバマ元大統領も登壇。世界一の影響力を持つ「カルチャーイベント」とは?
3月17日、米テキサス州オースティンで行われていた「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)2019」が幕を閉じた。
毎年3月に行われているSXSWは、音楽、映画、テクノロジー、政治、教育などさまざまな分野の最新トレンドを複合的に紹介するカルチャーイベント。
最近まで日本ではあまり知られていなかったが、ここ数年でビジネスパーソンなら「知らないとちょっとヤバイ」存在になりつつある。いったいどういったイベントなのだろうか?
音楽イベントからスタートアップの登竜門へと進化
SXSWがスタートしたのは1987年、もともとは駆け出しのミュージシャンに活躍の場を与えようという趣旨で始まった音楽イベントだった。
ここでのライブパフォーマンスをきっかけに、メジャーレコード会社との契約にこぎつけたり、トップチャートに躍り出たりした新人アーティトは少なくなく、ケイティ・ペリーやノラ・ジョーンズ、故エイミー・ワインハウスなどがその代表例。
日本人バンドを世界に紹介する「ジャパンナイト」も毎年開催され、過去にPerfumeや東京スカパラダイスオーケストラなどが出演している。
1994年からは音楽だけでなく映画とインタラクティブの2分野が追加され、SXSWはハリウッドやシリコンバレーからも注目を集める一段と大きなイベントに成長。新ビジネスのショーケース的な役割も強くなった。
受賞をきっかけに世界的な成功を収めた企業も
特にIT業界からの注目が高い理由には、SXSWでの賞受賞をきっかけに世界的な成功を収めた「Twitter」(’07)や民泊仲介サイトの「Airbnb」(’11)、写真共有サイトの「Pinterest」(’12)の存在がある。
今やSXSWは、まだ若いIT企業が新たなコンテンツを持って駆けつける“スタートアップの登竜門”としての顔のほうが、音楽イベントや映画祭としてよりもメジャーになっているのだ。