bizSPA!

ハデな私生活は脱税捜査で狙われる?逮捕の「青汁王子」ショボい脱税手口

コラム

赤字会社を使うなど、手の込んだやり方も

 しかし、なかにはもう少し手の込んだ脱税手口もあるようです。それは赤字の会社への架空発注。水村氏は「課税所得でマイナスを出した会社は、法人税を納める必要がありません」と言います。

「たとえば脱税を考える企業が1000万円ほどの外注費を、とある1000万円の赤字がある企業に払ったとします。すると、発注した会社は1000万円の経費が発生し、その分、利益が減るため納税額が減ります。

 一方で受注した会社はもともと1000万円分の赤字があるため、1000万円の売上が上がったとしても利益はゼロとなり納税は発生しません。最終的には、受注した会社から発注した会社へお金だけ戻してあげればいいのです」

 これはキャバクラなどではよくある手口で、そもそもその売上げをなかったことにするケースもあるとか。

「開業したばかりの企業などは一般的に設立から3年間税務署の調査が入る可能性が低いと言われているので、このような方法で脱税を行う場合もよくあるんです。ですが、正直こちらも『ああ、この手口ね……』と感じてしまうほど、よくある形のものではあります」

派手な言動が「目を付けられたきっかけ」ではない?

 素人からするとかなり手の込んだようなやり口ですが、プロの目からすると「よくある」というのが本音のようです。逮捕されるような事案はきっと金額の桁が高いので、過剰な経費申告、少なすぎる売上げ申告はすぐに目を付けられる仕組みとなっているのでしょう。

「納税額が少しでも少なければ必ず法律に違反し、逮捕されるというわけではありません。ほとんどの税務調査では、追加で税金を納めなければならなかったとしてもその追加分の税金を支払うだけで終わります。しかし、今回のケースのように脱税額が数千万以上かつ、悪質な脱税の場合には逮捕に及ぶこともあります」

 今回の三崎容疑者の逮捕も、1億8000万円という莫大な脱税額が影響したようです。

おすすめ記事