キャバ嬢とホスト、部屋を借りにくいのはどっち?水商売で働く人たちの賃貸事情
偏見でまともに部屋も借りられない人たち
――青木さんはこうした部分も変えていきたいという思いがあるわけですよね。
青木:はい、水商売をひとつの仕事としてちゃんと世間に認めてほしいと思っています。いまだにお客さんから心無いことを言われたという女のコはいっぱいいます。「こんな仕事して何やってんだ」みたいなことをいう客がいたとか。なら二度とくるなって思いますけどね(笑)。
そういうことも多くて我慢しているコもたくさんいるので。部屋を借りるひとつとっても大変だというのもそうです。だけど、ほとんどのコが一生懸命マジメに働いているんです。
――そんな人たちが、偏見によってまともに部屋も借りられないのはおかしいですよね。
青木:クレスタに面接に来る20代の人とか見ていても、1年おきに仕事を何度も変えているケースがけっこうあります。だけど水商売のコたちって意外と店を変えることはないんです。それに店を変えてもずっと同じ仕事を続けているわけじゃないですか。
18歳ではじめて25歳なら、勤続8年ですよ。そこを見てほしいですよね。なにごとも長く続けることが一番大変だと思うので、水商売をずっと続けていることをちゃんと評価してもらいたい。
全国の困っているコたちの力になりたい
――経験豊富な水商売の方って、20代でもそこらへんの会社員と比べてぜんぜん遜色ないといいますか、むしろはるかにちゃんとしていることが多いイメージもあります。
青木:ホントにそう思いますよ。夜の仕事がちゃんとできたら、他のことは何でもできる。自分の話になっちゃいますけど、いまだに他の不動産屋さんから誘われますから。「うちにきてよ」って。
水商売を長くやっていたコって、交渉の場とかで、何気ないところがすごく上手らしいんです。まあ、私はクレスタに骨を埋めると決めているので他の会社に行くことはないですが(笑)。
――その骨を埋めるクレスタで、これからの青木さんの野望というのはありますか?
青木:う~ん、特に野望がないタイプなんですよ……結婚したいくらいで(笑)。でも、クレスタがこうやって少しでもメディアに出ていって有名になれば、社会の認識が変わってくるんじゃないかなとも思っています。
そして東京以外にも支店を出していきたいですね。すすきのとか中洲とか新地とか、それこそ繁華街は日本中にあって、全国に困っている水商売のコがいっぱいいる。「地方には出さないんですか?」と聞かれることも最近増えてきました。
だから、もっと頑張ってできるだけ早く地方進出をして、全国の困っているコたちの力になりたい。そう思っていますね。
<取材・文/鼠入昌史 撮影/渡辺秀之>