「キャバ嬢は部屋を借りにくい問題」を歌舞伎町の不動産屋に聞く
新宿、歌舞伎町――。キャバクラやホストクラブなど、水商売の店がひしめく日本一の歓楽街。
その一角に、“水商売で働く人たち”をターゲットにした不動産屋「クレスタ」がある。この「クレスタ」で現場を率いるのは、現役キャバ嬢としても活躍中の青木人生さん。
全4回にわたってお届けしている青木さんロングインタビュー。第3回は賃貸物件の審査に通りやすいキャバ嬢、通りにくいキャバ嬢の違いとは? について聞いた。
部屋を借りやすい、借りにくい女のコの傾向
――水商売をしている方の中にも、部屋を借りやすい人・借りにくい人がいると思います。どのような傾向があると感じていますか。
青木人生(以下、青木):やっぱり水商売ですと、金銭感覚が狂ってしまっているといいますか、例えばクレジットカードが払えなくなって止まっている方。そうなると、ただでさえ審査が通りにくい仕事なのに、もっと通りにくくしてしまっていますよね。
普通のことですが、そういう方はなかなか難しくなってしまいます。逆に、これも普通のことですが、午前中の内見にもちゃんと行ける方はすぐに通りますね。
――それは朝が強いと審査も通る、と。
青木:どうしてもみなさん夜遅くまでお酒を飲まれているお仕事なので、朝がツラいコもいるんです。だから内見のときには朝起こすことから私たちの仕事ははじまる(笑)。「起きてますか? 今日内見、大丈夫ですか?」って。
なかには最初から起こしてくださいと頼まれることもありますよ。でも、その中でちゃんと朝早く起きて、内見に行けるコというのは通りやすい。それにそういうコは仕事もよくできるものなんです。
水商売をやっていると収入は安定する?
――夜の仕事でも、朝が実は大事だということですね。確かに管理会社の立場に立ってみると、「水商売なのに朝大丈夫?」と思ったらちゃんと来れば、それだけで好印象かもしれません。
青木:ですよね。悪いイメージを持たれていることは残念なのですが、だからこそかえって覆しやすいという面もあるんです。場合によっては「ウチの新入社員よりちゃんとしてるじゃねえか」みたいな(笑)。
なかには生活態度というか、勤務態度があまり良くないコも来るんです。だからこそそういうコには、「ちゃんと店行きなよ!」とか言うこともありますね。
――水商売ですと収入の不安定性が気になるところです。管理会社や保証会社もそこを不安視すると思いますが、実際はいかがでしょうか。
青木:みなさんそう思われるんですが、実際には何年も水商売をやっていたらだいたい収入は安定してくるものなんです。私もここ数年、ほとんど変わりませんから。だから確定申告をしているならそれで、していないくてもだいたい3か月分の収入証明を見せればなんとかなりますね。これくらいの収入で安定しているということがわかりますから。
水商売の世界では、下積みを経てポンと収入が上がったところでそれを維持できるかどうかがひとつの分岐点。保てるコは長く続きますし、保てないコは精神的にもキツくなるので長続きしない傾向があります。