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水商売の人が悩む「部屋が借りられない」問題。キャバ嬢用の不動産会社も

コラム

――そこから実際に働くことになったのは?

青木:そんな経緯もあって、前の会社を辞めてどうしようかというときに、クレスタの代表から知り合いを通して声をかけてもらいました。それがまた水商売をはじめて10年目でして。10年やったら次の10年は夜の仕事に恩返しができることをすると決めていたので、いいタイミングだと思ってクレスタで働くことにしました。

――実際に、ナイトワーカーが部屋を借りる際に苦労されていることは多いんですか?

青木:いや~、多いですよ。私自身……と言っても10年以上前の話になっちゃうんですけど、最初に借りたときは大変でした。まだ学生だったので親の名義で借りたんですけど、母親もこれまた水商売だったので……。

 そのままでは審査は通らないだろうということで、小料理屋ということにしたんです。地方に住んでいるからわからないだろうということで。まあ時効ということで許してください(笑)。

ほとんどの子は真面目に一生懸命働いている

青木人生

「もっと真面目な子がいることを理解してほしい」

――それだけ“水商売”に対する不動産業界からのイメージが悪いということですね。

青木:それでも当時から比べるとだいぶましになっているんですけどね。最近では水商売をしている女の子でも堅実な子がすごく多くなってきましたし。『小悪魔ageha』が流行った頃から明らかに変わってきていて。

 今だと週2~3回くらい働くアルバイトさんのキャバ嬢も増えています。昼間は大学生だったり、普通に働いたりしていて。そういう人が、水商売で収入も増えて、ちょっといい部屋に住みたいと思う。でも、どうしても偏見みたいなものがあって審査に通らないことがあるんですよね。

――普通の20代前半の会社員の収入では審査が通らないし、かといって水商売の副業を伝えても色眼鏡で見られてこれまた審査がきびしくなると……。

青木:会社員の20代だと月のお給料はよくてせいぜい23万~24万円じゃないですか。そこで15万円の家賃の部屋を借りようとしても難しい。だから職業を水商売で通さないとダメなんですけど、そこで水商売へのマイナスイメージがあると……。

 変なトラブルを起こすんじゃないかとか、収入が不安定で家賃払わないんじゃないかとか。でも、ほとんどの子は真面目に一生懸命働いているんです。そこをもっと理解してもらいたいですし、助けてあげたい。だから、クレスタで水商売の方たちのためにお部屋探しのお手伝いをさせていただいています。

<取材・文/鼠入昌史 撮影/渡辺秀之>

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