夜食のラーメンで認知症に?サラリーマンの脳を襲う「糖質リスク」
生活自体がルーティン化しがちなサラリーマン生活、刺激が少ない生活を送っていると、脳はどんどん“老化”していってしまう。
さらに刺激がワンパターンになってしまうと脳、は“慣れ”による「省エネモード」に突入、記憶力低下、アイデアが浮かばないなど仕事にも影響が出てしまう危険がある。
ラーメンやスイーツが招くビジネスマンの「脳クライシス」
残業中のお菓子や飲み会の〆のラーメン。サラリーマンにはありがちな食生活だが、実はそこが脳の危機の入り口だとしたら……。脳科学者の杉浦理砂氏は「糖質の過剰摂取のリスクを報告する研究は枚挙に暇がない」と警鐘を鳴らす。
「高齢者を対象に4年間行われた米国の研究では、糖質の過剰摂取によって最大3.6倍も軽度認知障害や認知症の発症リスクが高まることが判明。また、糖尿病患者は、アルツハイマー病発症リスクが健常者に比べて2倍に跳ね上がるというデータもあります」
では、なぜ過剰な糖質は、脳に悪影響を及ぼすのか?
「ラーメンや菓子パン、スイーツやせんべいなどの過剰な摂取で高血糖状態が続くと、『終末糖化産物(AGE)』と呼ばれる有害物質が体内に蓄積されます。このAGEが、細胞の老化を促進することが1点。
さらに、缶コーヒーや清涼飲料水などを大量に摂取すると、液体であるがゆえに糖質の吸収が速く、一時的に血糖値が乱高下する『血糖値スパイク』という現象が起こります。この状態が続くと動脈硬化が進行し、脳梗塞や認知症につながります」
糖質が引き起こす危険な血糖値スパイク
血糖値スパイクとは、血糖値が急上昇すると、それを抑制するインスリンが大量に分泌され、反動として血糖値が急降下する現象。この乱高下が眠気やだるさ、集中力の欠如を引き起こすのだ。
血糖値スパイクは、集中力や作業効率の低下にもつながるため、食生活にとどまらない“負のスパイラル”を引き起こすことも。
「仕事の効率が悪くなれば、労働時間が延びていきます。当然、ストレスが溜まり、睡眠時間も減る。このストレスと睡眠不足も脳の大敵で、翌朝、頭が冴えないと、また缶コーヒーや清涼飲料水をがぶ飲みしてしまい脳機能が低下。このような生活習慣が続くと認知症のリスクが高まります」
この負のスパイラルを断ち切るには、どうしたらいいのだろうか?
「対策のひとつは、食物繊維が多く含まれる野菜などを最初に食べ、血糖値の急上昇を防ぐこと。また、夕飯は炭水化物を減らし、朝食まで12時間ほどプチ断食をすると脂肪を分解する『ケトン体回路』が動きだし、無駄な食欲が抑えられます」
夜食の1杯のラーメンが脳の危機を招くことを、忘れてはならない。
― 脳を鍛える脳活ドリル ―