新幹線の発車時刻に隠されている15秒ルール。正確な発車時刻を測るには
2022年は、日本の鉄道開業150年周年。新幹線も1964年10月に開業してから60年近くが過ぎた。出張に、帰省に、旅行に、欠かすことのできない交通手段だが、よくよく考えてみると、さまざまな謎が次から次へと浮かんでくる。
時速300キロで走る新幹線の窓は、小石が当たってもなぜ割れないのか? 北海道新幹線の先頭車両が長い理由は? そんな新幹線にまつわる謎の数々を解説した『最新版 新幹線に乗るのがおもしろくなる本』(著・レイルウェイ研究会)より、新幹線の発車時刻に隠されている秘密などを紹介する。
新幹線の発車時刻に隠されている秘密
新幹線に乗って今か今かと発車を待つ。時刻表に掲載されている発車時刻は13時05分。「早く発車しないかな。あと5分、あと3分、あと1分」。
そして、ついに時計のデジタル表示は13時05分。しかし、列車はまったく動かない。ようやく発車したのは13時05分を数十秒過ぎてから……。じつはこの数十秒の差には、ワケがある。これは電車が遅れたわけではない。なぜなら新幹線の運行ダイヤは15秒単位で設定されていて、発車時刻も15秒刻みで決められているからだ。
なぜ15秒ルールが存在するのか?
たとえば、時刻表に「13時05分発」と書かれている場合でも、13時05分きっかりの発車とは限らない。実際には「13時05分15秒発」や「13時05分30秒発」「13時05分45秒発」かもしれないのだ。
とはいうものの、時刻表にそこまで詳しい時間が書かれず、秒以下は切り捨てられて分単位で表示されている。だから、一般の乗客にとっては、00秒発ではない場合の発車であっても、どれも同じ13時05分と表記されてしまう。
これと同様に駅の表示も秒以下は切り捨てて、分単位で書かれている。たいていの人は、そこまで詳しい時間など知る必要もないから、秒単位まで正確な時間が表示されたら、かえって邪魔でしようがない。このように、新幹線の発車時刻には、一般の人が知らない15秒ルールが存在している。新幹線に乗ったら、試しに、正確な発車時刻を測ってみてもおもしろいかもしれない。