連日訪れる「勘違い移住希望者」に頭が痛い…相談窓口の職員が明かす
地方創生の一環として近年活発な大都市から地方への移住。だが、人口を増やしたいがあまり、補助金を大盤振る舞いしている自治体も目立つ。誰彼構わず受け入れた結果、全国に「ヤバい移住者」たちが散らばり始めている――。
関西のとある自治体の移住相談窓口に勤める高山悟志さん(仮名)は、連日訪れる「勘違い移住希望者」のせいで、ノイローゼ気味だという。「私が住んであげてもいいけど」という姿勢で来る移住希望者が多く、「発狂しそうになる」と話す高山さんに、その胸中を告白してもらった(以下、高山さん談)。
移住相談窓口職員が「勘違い発言」を告白
1か月ほど前、「自分、東京で音楽しててぇ、この町をなんかイベントとかでぇ、盛り上げてぇ、地域を元気にしたいなーとかって思うんすよねぇ」と言う、20歳過ぎの若い男性が移住相談にアポイントもなくやってきました。
よくよく聞いてみれば、彼は東京で音楽イベントを主催していたわけではなく、主催者の横をついて周る「取り巻き」にすぎないんですよ。そんな人、少し話せばわかるじゃないですか。「あなたに事なんてひとつも起こせない」って。
つい先日も、「オレ、周りのこととか気にせずに音楽聴いてたいしぃ、だから山奥にひとりで住みたいんすよねぇ」と話すドレッドヘアの男が来ました。絶対とは言えませんが、「コイツ、山奥で大麻でも育てるんじゃないか」と疑ってしまいます。
「ここはそんなに人里離れた場所ではないから、沖縄の離島とかいいんじゃないですか」って、ほかの自治体を勧めましたけど(笑)。
上から目線の移住希望者に「発狂しそう」
でもこの2人はまだかわいいほうですよ。本当、笑えない勘違い野郎もいますから。
今までハワイで働いていたという中年女性が移住相談に来たのですが、とにかく上から目線で完全に田舎の人間を見下しているんですよ。彼女は私に堂々とこう言いました。
「私はこれまでハワイでこんな仕事をしていたの。いろんな人脈を持ってるんだけど、ここに住もうとしている私に対してどういうサービスをしてくださるの?」
何を根拠にそんなことを言っているのか、開いた口が塞がりません。仮に移住したとしても、村八分にされるでしょう。私はそういう勘違い野郎たちに日々、苛まれています。
<取材・文/藤中一平 SPA! 地方移住取材班>