「あらゆる“渇望”が心を強くする」堀江貴文が語る、孤独だった幼少時代
浮き沈みの激しい実業界で、常に注目を集めるサイバーエージェントの藤田晋社長と実業家の堀江貴文氏。
IT業界を牽引してきた“盟友”が学生時代のエピソードから一緒にビジネスをするようになった瞬間、ビジネスにおける苦悩までを語り合った新刊『心を鍛える』(KADOKAWA)。今回は堀江氏の「心を強くするもの」についての項を同書より紹介する(以下、一部編集のうえ抜粋)
「あらゆる渇望」が心を強くする
20年来のつきあいになる藤田さんから、共著の声をかけていただいた。まさかのオファーだったが、万感の思いを噛みしめている。思えば、藤田さんとの出会いのときも、「1週間足らずで、クリック型の広告を表示させるシステムを新規に作る」という、とんでもないムチャ振りだった。いい意味での「腐れ縁」的な関係が、濃淡はあれども連綿と続いてきた事実に、今さらながら驚いている。
最初に内輪話を暴露しておこう。今回、「新しく本を出す」ということで、ベテランのカメラマンに撮影をしてもらった。とはいえ、50代を目前にした男2人が、恥ずかしげもなく向かい合い、ポーズを取る……。あなたには、その“照れ臭さ”がおわかりだろうか。
僕が今まで出してきた50冊以上の本の中で、これほど「やりにくかった表紙撮影」はない。だから“藤田さんの経営者としてすごい点”や“人として素敵な点”を僕の知る限り、お伝えしていこうと思う(笑)。
藤田さんの姿勢は、驚嘆に値する
実際、僕は藤田さんの経営手腕、マネジメント能力に日頃から舌を巻き続けている。企業を創り上げただけではない。存続させ、拡大させ、常に新しいサービスや価値を世の中に発信し続けているその姿勢は、驚嘆に値する。
具体的に言うと、「ABEMA」というスマホ時代の新たなプラットフォームを成長させてきた一方で、「CA Tech Kids」(小学生向けプログラミング教育事業)や「Makuake」(クラウドファンディングサービス)など、社会貢献度の高い事業も多く手がけている。公営競技の投票サービス「WINTICKET」にも挑戦している。
また、2021年に発表されたサイバーエージェントのパーパス(存在意義を明文化したもの)には共感しかない。「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」(同社・パーパスより)。このメッセージは、未来志向であると同時に、普遍的な価値を持っていると思う。