女性活躍=「子持ち既婚女性」優遇?働きやすい社会に必要な3つのシフト
“女性活躍”という言葉を頻繁に耳にするが、日本はまだ諸外国と比べて進捗の兆しが見えない。「女だけど女性が活躍してる企業は絶対応募しない」という投稿が話題になったように、なかにはあえて女性活躍を推進している企業を敬遠する求職者もいるようだ。
誰もが不公平感を抱くことなく、心地よく働ける職場はどうすれば整備できるのだろうか。ワークスタイルや組織開発を専門とする実業家であり、『どこでも成果を出す技術 ~テレワーク&オフィスワークでなめらかに仕事をするための8つのスキル』(技術評論社)の著者である沢渡あまね氏(@amane_sawatari)に話を聞いた。
女性活躍が進まない背景は…
沢渡氏は、はじめに女性活躍が進まない・受け入れられない原因として、“子持ち既婚女性の優遇”という不公平感がネックになっているという。
「子どもを送り迎えするための時短勤務、子どもが熱を出したことによる急な欠勤など、特定の女性社員の業務をフォローさせられることに不満を持つ従業員は少なくありません。
また育児中の人、育休明けの人には責任ある業務を任せるのは可哀想と考え、単純作業しか任せないことも大きい。時短勤務でも育休明けでも関係なく、その人に意欲があれば非定型の業務や責任ある業務を任せれば良いのに、いわゆる『マミートラック(出世コースから外れた働き方)』を作ってしまっている。単純作業ばかり押し付けていては、働き続けることはできても女性活躍にはつながりません」
女性活躍=子持ち既婚女性の優遇なのか
周囲の人たちの不満だけでなく、配慮でさえ障壁になっている。
「『女性活躍=子持ち既婚女性の優遇』という空気感は、『働き続けた』という意欲を持つ子持ち既婚女性に罪悪感を抱かせます。加えて、将来的に結婚を考えている女性にも『出産育児を経験しながら働くのって大変そう……』という意識を芽生えさせるのです」
“女性活躍”に無理解な職場は少なくなく、その職場によって心を折られる女性は既婚未婚問わず存在する。女性管理職の割合が増えず、そもそも女性活躍が進まないのも納得だ。