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みずほ銀行、システム障害の原因特定できず…“甘すぎる対応”と、問題点を解説

ビジネス

 みずほ銀行が9月8日、最大100台のATMとインターネットバンキングが一時利用できなくなるシステム障害を起こしました。2021年に入り、じつに7回目のシステム障害です。

みずほ銀行

※イメージです(以下、同じ)

 前回のシステム障害(8月20日)に関する調査報告書が8月31日、みずほフィナンシャルグループから金融庁に提出されてから、わずか1週間余りのできごとでした。

なぜ、みずほ銀行だけが?

 8月31日に提出された報告書は、システム障害の要因はおろか、5回目のシステム障害時にバックアップに切り替わらなかった原因も特定できないという異例の内容となっていました。

 さらに、システム障害によって50万円が不正に引き出されていたことも発覚。人々の生活の生命線となる銀行としては、あまりに頼りない印象を受けざるを得ません。4回目のシステム障害では、みずほフィナンシャルグループの坂井辰史取締役社長や、みずほ銀行の藤原弘治取締役頭取の月額報酬を50%カットすることが発表されました。

 しかし、6回目のシステム障害は再発防止に向けた対策も進めていたさなかで起こりました。メガバンクの中で、なぜみずほ銀行だけがトラブルに見舞われているのでしょうか。この記事では、一連のシステム障害が起こる背景について解説します。

システム統合の難航。そして大規模システム障害

システム障害

 現在のシステムが開発された経緯から説明します。

 みずほ銀行は、2000年9月に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が株式移転をしてみずほホールディングスを設立したことが、現在の形の始まりです。2002年4月に3つの銀行を統合・再編してみずほ銀行が誕生しました。2003年にはみずほ信託銀行を直接子会社化するなど、大規模な事業再構築を行ってきました。

 統合前の各銀行はまったく別の基幹システムを使っていました。第一勧業銀行はSTEPS、富士銀行はTOP、日本興業銀行はITIS(後にC-Baseに改称)、みずほ信託銀行がBESTです。

 サービスを提供するベンダーも各社異なりました。STEPSは富士通、TOPとBESTがIBM、C-Baseは日立という具合です。組織再編に当たり、各銀行の勘定系システムを統合する必要がありました。開発会社が異なるシステムの統合は、難航が容易に想像できました。

 2005年12月にTOPをSTEPSに統合するなど、段階的なシステム統合が進められました。しかし、その流れを大きく変える出来事がありました。2011年3月の大規模システム障害です。

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