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若者に増加「スマホ社会」が招く、脳疲労の恐ろしさ。記憶術のプロが警告

学び

 こんにちは、記憶術講師の吉野邦昭です。「物忘れがひどい」「集中できない」「気力が出ない」という声をよく聞くようになりました。その原因が脳疲労であると、だんだんと認知されてきています

スマホ 男性

※画像はイメージです(以下同じ)

 その脳疲労の最大の要因がスマホの普及。対策を紹介した記事はよくありますが、「わかっていても取り入れることができない!」という声が飛んできそうです。そこで、疲労した脳に最後のひと踏ん張りをしてもらうポイントもお教えします。

スマホの普及で記憶力・意欲が低下

 最近、「脳疲労」という言葉をよく聞くようになりました。

「大事な事を覚えられない」「物忘れが増えた」「集中して物事に取り組めない」という声が、私の記憶法講座の受講動機のかなりの部分を占めています。その陰に記憶の衰えを感じながらも、わざわざ講座を受講するほどではないと思っている方が相当数いることは、想像に難くありません。

 その原因のひとつは、情報化社会。パソコンはもちろん、ここ数年はスマホの普及による影響が大きくなったと考えられます。情報収集の手段は、昔は紙媒体だったものが、ラジオ、テレビと進化し、今はパソコンからスマホへと移りました。

 もちろん、取り出せる情報量も多いのですが、ひとつ前の世代であるテレビ・パソコンと比較した最も大きな変化は“持ち運べる”、“手元で情報を取り出せる”ということです。そのため、アクセスする時間が劇的に増加してしまいました。

データで明らかになった「情報量の増大」

ビジネス ビックデータ

 アメリカの市場調査会社、International Data Corporation(IDC)が2020年5月に行った発表によると、世界で生成・消費されるデジタルデータの総量は、この10年で約60倍、今世紀に入ったわずか20年で9500倍になったとの報告があります。“倍々ゲーム”ならぬ、“10倍10倍ゲーム”状態なのです。

 総務省情報通信政策研究所の調査発表によれば、実際、私たち日本人のネット利用時間(平日)は、2012年に71.8分だったものが2019年には126.2分と、わずか7年で1.8倍になっているのです。

 いよいよ、私たち“ヒト”の持つ情報処理能力が限界に来てしまったと言っても過言ではありません。

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