コロナ禍で退職した29歳看護師 「無責任」と言われても貫いた“理由”
医療従事者や福祉施設で働く方などのように、コロナ禍でプライベートでの行動が極端に制限されている人は少なくありません。短期間であればまだ我慢もできますが、すでにコロナは1年以上と長期化。なかには、恋人と会えなくなって別れてしまったケースもあるようです。
コロナ前に恋人と遠距離恋愛に
そんな中、仕事よりも恋人を選んだ人も。地方都市の総合病院で看護師として働いていた橋村弥生さん(仮名・29歳)は、2020年夏に退職。最初の緊急事態宣言が明けた後も県外移動の自粛要請があり、遠距離恋愛中の彼氏と会えなかったことが、退職の大きな理由だといいます。
「彼は大手メーカーの社員で、2018年から私の住んでいた街に赴任していたんです。そのときに知り合って付き合い始めましたが、2019年の秋に再び異動になっちゃったんです。そこは日帰りではとても会いに行ける距離ではなかったですけど、それでも月1、2回、お互い行き来して一緒に過ごすようにしていました。
でも、年が明けて2月に入って、新型コロナの感染が日本でも広まり始めると、会うのを控えるようになりました。ただ、この時点ではこんなに長く続くとは思わず、しばらく我慢すればいいと思っていたんです」
ところが、彼女の勤める病院は緊急事態宣言が明けても院内スタッフに対する県外移動は解除されませんでした。また、同時に県外から来た友人・知人との接触も極力控えるようにとの通達が出されており、彼氏に来てもらうことはできませんでした。
家に帰ると会いたさが募って…
「病院としては当然の判断ですし、それに対しての異論はありません。すでにこのころには院内クラスターが発生している医療機関が各地に出ていましたし、いくら彼に会いたいからってルールをこっそり破るような真似なんて決して許されないことです。けど、仕事中はまだいいですが、家にいると彼のことばかり考えてしまい、おかしくなりそうでした」
普段の弥生さんは、どちらかというとさっぱりした性格。いつも彼氏のことばかりを考えているようなタイプではなかったのですが、このときは会えなくなって4か月近くが経過。
それまで付き合っていた男性ともこんなに会わない期間が続いたことはなかったらしく、自分で考えていた以上にさみしがり屋だったことに気づきます。