立ち食いそばチェーン4店の「テイクアウト年越しそば」食べ比べ。1番本格的だったのは
年の瀬も迫り、2020年も残りわずかとなりました。例年この時期になると、多くのそば店が年越しそばのテイクアウトサービスをはじめます。普段からメディアで取り上げられるような老舗や手打ち系などの有名店はそばを求める人たちで行列ができるほど。
安さやお手軽さが売りの立ち食いそばチェーンも負けじと年越し用のテイクアウトを実施。そこで気になったのが味のクオリティです。店で食べるそばと比べて遜色ない出来なのか、それとも大きく引けを取るのか。はたまた全く別物なのか……。
真相を探るべく首都圏を中心に展開する箱根そば、小諸そば、ゆで太郎、富士そばのテイクアウト用年越しそばを食べ比べてみました。
なお、今回取り上げた商品はすべて生そばでの提供になります。また、お店で食べるそばとテイクアウト用とでは、調理工程・環境が根本的に異なります。したがって“店の味を完全再現”とはならないことを前提にレビューしました。
※年越しそばが売り切れになる場合もあるので、あらかじめ店舗へご確認ください。
1)名代 箱根そば「これはこれでアリ!」
「名代 箱根そば」は小田急レストランシステムが運営する立ち食いそば店。小田急沿線を中心に46店舗(2020年11月時点)を展開しています。創業は1965年、小田急新宿駅のホームに1号店をオープン。ファンの間では「箱そば」の愛称で親しまれています。一説によると、昭和50年代に関東ではじめて「コロッケそば」を提供した店とされています。
店で食べる印象としては、つゆは甘からず辛からずの中庸な味わい。いたずらに主張しない絶妙なバランスだから、かき揚げやちくわ天、きつねなどの持ち味を堪能できます。筆者はこれを「トッピングを加えることで完成するつゆ」と好意的に解釈。とくにコロッケを加えることで真価を発揮すると考えています。
年越しそばセット(750円)は競合店に先駆けて12月27日から販売。箱にはマスコットキャラクターの「やっこさん」があしらわれています。内容はそば3袋(130g×3)、希釈用つゆ3パック、薬味。
とくに目を引いたのが薬味で、わさび、七味、揚げ玉、刻み海苔……となかなか充実しています。「大晦日を贅沢に過ごしてほしい」。そんな心意気が見てとれます。
年越し用のそばはグレーの細麺。店に近い食感でもちもちとしています。ところが、つゆは醤油が立っていて個性的な口あたり。つゆの成分表を確認すると本醸造しょうゆ使用とのこと。かつお節、さば節、煮干しなども入っており香り豊かな一杯です。ここにコロッケ(本家にならってカレー味で)を加えて臨場感を高めるのも面白そうです。