「24時間テレビ」の100kmマラソンって本当にキツいの?実際に走ってみた大学生の切ない末路
皆さんは「24時間テレビ」を見たことがありますか?「24時間テレビ」とは、視聴者からの寄付を福祉や環境保護、災害復興の支援に役立てることを目的とした日本テレビのチャリティー番組で、芸能人が24時間で100kmを走り切る「100kmマラソン」は目玉イベントとして有名です。
僕は24時間テレビに対して、特に否定的な感情はありませんが、子供の頃から「芸能人が24時間テレビで100kmマラソンを完走し、みんなが泣く」という構図が理解できませんでした。そもそも人が歩く速度は時速4kmと言われており、24時間歩き続けたとしても96km進みます。
つまり、「まったく練習しなくても達成できる距離なのではないか? それなのになぜ感動するのだろう?」という疑問が根底にありました。
しかし、100kmマラソンが本当に大変でないかどうかは、走った人にしかわかりません。今回は、僕が経験した「本当に100kmマラソンはキツいのか、大学生のときに実際に走って検証した話」についてお話ししたいと思います。
※『実家が全焼したらインフルエンサーになりました』(著・実家が全焼したサノ、KADOKAWA刊)を元に書き下ろしたものです。
まずはスポンサー探しのために飛び込み営業
会場は大阪城公園で、1周4kmのコースを25周します。走るメンバーは僕の他に、大学の友人を2人誘い、計3名で臨みました。
また、24時間100kmを悠々完走したという証拠を残すために、大学の映像研究部に連絡を取り、24時間僕たちが走っている姿を撮り続けてほしいと依頼しました。すると快諾していただけたものの、機材などで約10万円が必要になることがわかりました。
そこで僕は、急遽スポンサーを探すために大阪の梅田じゅうのビルに入っている企業に乗り込み、「僕はこれから100kmマラソンを完走します。そしてそれをユーチューブに投稿するので、スポンサーになっていただけませんか?」と飛び込み営業をしました。
しかし、誰もが名前を知っているような大手企業にはことごとく断られ、最終的に、心優しいお好み焼き屋さんがメインスポンサーになってくれました。
いよいよスタート。3人を襲った疲労感
これでようやく100kmマラソンを始める準備が整いました。僕たちは24時間テレビと同じ日の同じ時刻、降りしきる雨の中、走り始めました。
最初の20km地点までは、まったく疲れがなく、3人で競走したり、雑談をしたりと、とても和やかな雰囲気です。しかし、40km地点を越えると、身体に痛みを感じるようになりました。走るよりも歩く時間のほうが多くなり、フルマラソンを走る人ってすごいんだなぁと思いました。
それでも24時間で100kmを完走するにはまだ十分な時間がありましたが、50km地点を越えてから辛さに拍車がかかりました。時速4kmで歩くことすら困難になってきて、60km地点では、ついに友人の1人が脱落。友人は、足の皮がボロボロに剝けてしまい、靴下から血がにじんでいました。そこからは、2人で挑戦することになりました。
2人とも足取りが重く、70km地点あたりでヨボヨボのおじいちゃんの徒歩に追い越されたときはさすがに悲しくなりました。そしてついに、88km地点でもう1人の友人も脱落しました。88kmも走ったんだから、あと少し頑張ればよかったのに、と思う方もいるかもしれませんが、88km走った後の12kmは正直かなりつらいです。