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高卒から30歳で年収1200万円へ。転職で年収アップする人はどこが違う

学び

「大卒のほうが生涯年収は高い」。このように世間で言われるとおり、高卒よりも大卒・大学院卒のほうが給与(月間賃金)は1.36倍高いというのが実情です(全年齢平均、令和元年賃金構造基本統計調査、厚生労働省)。

給与

※イメージです(以下同じ)

 しかし、これはあくまで一般論。世界は広く、高卒でも大卒以上の給与を稼いでいる人は実際に存在します。今回インタビューしたR(アール)さんは高卒ですが、世界的に有名なコンサルティング会社で働き、年齢は30歳、年収は約1200万円です。どのようにキャリアを築いてきたのかを詳しく聞きました。

中小の製造現場で、最初は年収300万だった

 Rさんは、地方の工業高校を卒業した後に、中小企業の製造現場にて勤務をはじめました。裕福でない家庭で生まれたものの、「上昇志向は高かったので勤勉に働いた」と言います。就職時の年収は約300万円でした。

「製造現場から、希望していた生産技術部へ早々と配属されました。仕事が終わったあとも、仕事に関連した勉強や社外の研修にも積極的に参加し、社外で得た業務効率化やコスト削減の知識も使いながら、生産改善の分野で着実に実績を出していきました」

 まじめな勤務態度、大幅な生産性改善などの実績、そして経営者からの信頼を積み上げた結果、入社から4年後に、海外(タイ)で工場を立ち上げる責任者に指名されます

タイ工場の建設責任者で味わった苦労

工場

この指名は、私自身も非常に驚きました。実績や社内の人間関係、若手で海外にも送り出しやすいことなどさまざまな理由が考慮されたようですが、やはり経営者からの信頼が最も作用したように思います」

 入社5年目での工場立ち上げは本当に大変だったといいます。

「何もない状態からの営業先や仕入れ先のリストアップ、人件費・生産能力を踏まえた土地や建設業者の選定などからスタートしました(フィージビリティ・スタディの一環)。すべてが大規模で分からないことだらけです。時間は刻々と進み、自分は責任者という逃げられない立場です。分からないことは、土日も必死に勉強し、業者とも話せるようにしました」

 ようやく土地・業者選定が終わり、海外現地での建設が開始したのも束の間。建設業者の中で唯一日本語をしゃべれる担当者がある日、失踪します。会社内で英語ができると言っても、仕事で使ったことは皆無です。図式化やメモも駆使し、必死にコミュニケーションを続けました。

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