成人年齢が「18歳」改正へ。飲酒、ギャンブル、少年法はどうなる?
ついに成人年齢が18歳に引き下げられることになりました。6月13日、改正民法が参院本会議で可決し、2022年4月1日から施行されます。
18歳といえば、そのほとんどが高校3年生。一般的には、まだまだ大人になる準備段階という認識でしょう。しかし、これからは「保護者のいらない一人前の大人」として扱われることになります。
そもそも、なぜ成人年齢の引き下げが必要?
成人年齢の引き下げは、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が2007年に成立したことから始まっています。
国民投票法では投票権が18歳以上とされたため、附則として民法の成人年齢の引き下げや、公職選挙法の投票権の年齢の引き下げが明記されたのです。
今回の法改正では、成人となったからといって、18歳にこれを解禁にするのはいかがなものか!?と、さまざまな議論が起きました。一体、どんなことができるようになり、または禁止のままなのでしょうか?
飲酒、喫煙、ギャンブルは20歳以上
成人というと、お酒が飲める、タバコが吸えるというイメージがあるかもしれません。
しかし、今回の法改正では解禁年齢は20歳のまま据え置き。18歳成人に飲酒・喫煙は認められません。
アルコールやタバコによる健康上の悪影響から20歳未満の若者を守ることが目的なのですから、これは仕方のないことかもしれません。成人を祝って、両親や恩師と初めてお酒を酌み交わす、というのは今後は見られない光景となりますね。
競馬や競輪などのギャンブルに関しても同様に解禁は20歳以上。あまり知られていないところでは、猟銃の所持はもともと「20歳以上」と定められており、そのままとなっています。
ローンは組めるが悪質商法に要注意!
お酒もギャンブルもダメ、何だか義務や責任ばかりが増えるような印象ですが、もちろん18歳から可能になったこともあります。
親の同意がなくてもクレジットカードが作れるようになり、ローンも組めるようになるのです。自動車などの高額商品の購入も自由にできることになりますね。
しかし要注意なのが、悪質商法やローン詐欺。親の同意がないことを理由にした「未成年者取消権」を使うことができなくなってしまうのです。社会経験の乏しさにつけ込まれ、若者達が格好の餌食になってしまうことが懸念されています。
そのため消費者契約法が改正され、不安を煽って購入に同意させる、デート商法などの不当な勧誘による契約は取り消しができるようになりました。しかし、若者自身の自覚が必要なことに変わりはありません。若いうちから消費者契約に関する教育が必要になるでしょう。