ワークマン、コロナ下でも絶好調なのには納得の理由が
新型コロナウイルスの影響で外出自粛による小売店での消費が減少し、多くのアパレル会社や小売店が売上を大きく減少させるなかで、新型コロナウイルスの影響をもろともせずに 前年以上の売上を達成している企業があります。
作業用品中心に店舗を全国にフランチャイズ展開する株式会社ワークマン(以下、ワークマン)です。2020年1月から5月にかけて、前年同月と比べて20%前後も売上を伸ばしています。
ワークマンは、従来の工事関係者などのプロ向け商品の販売だけではなく、近年は一般ユーザー向けのアウトドアスポーツ用品や女性向けの商品の拡充を狙ってきました。今回はワークマンの躍進の秘密について、元外資系企業勤務で、現地は企業経営・企業買収業務を専門に行う筆者が、決算データを用いて読み解きます。
客数と客単価はどちらも拡大
改めて、ワークマンのチェーン全店売上高を見てみましょう。2017年3月期に743億円だった売上高が2020年3月期には1220億円となっており、急速に拡大していることが分かります。
一般的に売上高増加の要因として、客数の増加・客単価の上昇が考えられますが、ワークマンの場合はどうでしょうか。1日あたり客数は1店舗あたり2017年3月期には107人だったのに対して、2020年3月期には145人と、大きく上昇しています。
さらに、1人あたり買上点数は2.6点と横ばいであるものの、点単価が上昇しており、結果的に客単価の上昇に貢献していることが分かります。売上高を構成する客数と客単価のどちらも拡大しているので、売上高の増加は当然の結果といえます。