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トイレットペーパー買い占めに走った犯人は…。両親のLINEに息子が困惑したワケ

暮らし

 新型コロナウィルスの影響で、日本各地でマスクの品薄問題や、デマがきっかけになったトイレットペーパー不足など深刻化していますが、同時に“買占め”や“高額転売”も問題になっています。

トイレットペーパー マスク

※イメージです(以下同じ)

 ちなみに、政府は転売目的のマスクの買占めを防ぐために、3月15日から医療用・家庭用のマスクを購入金額より高値で転売する行為を法律で禁止しています(違反した場合、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金)。

 トイレットペーパーが品薄になったきっかけは、SNSに投稿された「マスクとトイレットペーパーの原料は同じ」「中国からの輸入が途絶えて、品物が無くなる!」と人々の不安を煽るような根も葉もないデマがきっかけでした。

 いずれにせよ、いまだに品薄状態が続き、気軽に買える状態ではありません。必要なものが必要な人々に行きわたらないもどかしさ。思わず舌打ちしたくなるような苛立ちを覚えますが、もしもそんな“買い占めてしまう人々”が身内にいたとしたら……?

「子供の分も確保した!」その勢いと量にあ然

 千葉県在住の富田雄姿さん(31歳・文房具メーカー営業)も、マスクやトイレットペーパー不足に悩む一人です。

「平日は仕事が終わったあとにドラッグストアに寄っても商品はほとんどありません。土日は人でごった返していて、今は入荷も未定のところばかり。店員さんにいつ入荷するか聞こうとしても、みんな聞かれすぎて疲れているのか表情がとにかく暗いんです。なかなか聞くに聞けない雰囲気で、いつもだまって店を後にしていました」

 しかし、ある日北関東に住む富田さんの両親から“救援物資”として、30枚入りマスク5箱と、12ロール入りのトイレットペーパーが4袋も送られてきたのです。これで当面は安心! と思いきや、富田さんの表情はすぐれません。

「実家の北関東は当時、関東で唯一、新型コロナウィルスの感染者が報告されていない県でした。でも連日の報道で他の地域のようにマスクが早い時期に買えなくなり、トイレットペーパーの棚も空っぽ。両親に『どうやって買ったのか』と聞いてみたところ、堂々と『何十軒も回って買い占めた』と言ったのです」

 ご両親はすでに退職され、年金暮らし。それでも毎日不安を煽られるようなコロナウィルスの報道に影響され、必死に半径20キロ以上の店舗を回り続けて“確保”したそうです。

「電車も乗らないし、人ごみもまったく関係ない田舎暮らしなのに…… 母と父で連携して、全部でマスクを23箱、トイレットペーパーは10袋以上、家にストックとして置いているようです。『通勤通学している“本当にマスクを必要としている人”や、(トイレットペーパーは)家にもうストックがない人が買ったほうがいい』『買占めはしないほうがいいよ』と伝えても、『(4人兄弟の)子どもたちの分は家に取っといているからな! 何かあったらすぐ送るから!』とまったく聞く耳を持ってくれません。むしろ父は“いいこと”をしていると思い込んでいるんです」

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