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就職活動の時間がない若年フリーターの事情。バイト先が人手不足で…

学び

「アルバイトのシフトがきつくて選考に出られません」
「シフトに穴が開いてしまったので選考を欠席させてください」

アルバイト

※イメージ(以下同じ)

 筆者は20代の第二新卒やフリーターの就職支援を行なっている転職エージェントですが、年末や繁忙期などの時期、「就職活動の時間を作れない候補者」からこんな相談を受けることが多くなります。

就職活動を阻害するアルバイト人手不足

 そう聞いて「アルバイトより、自分の人生を決める就職活動を優先するのが当然」と思う人もいるかもしれませんが、彼らには、就職活動を優先できない事情もあります。

 今回は筆者が実際に見聞きして感じた「就職活動を阻害するアルバイト」の実態についてお話します。

 とはいえ、大前提として「自分の意志」で就職していない人ももちろんいると思いますし、アルバイトでずっと働きたいという人もいます。この記事では「正社員として就職したい意志はあるけど、アルバイトなどでなかなか時間がとれてない人」の話をしたいと思います。

 アルバイトが若者の就職活動を阻害する理由は、大きく分けて2パターンがあります。

パターン1:目先のお金を稼ぐ必要がある

貧困 お金

 まずは、生活のために目先のお金を稼ぐ必要のあるケース。親に頼らず、アルバイトをして自分で生計を立てなくてはいけない人たちです。

 特に都内に住んでいて、かつてお笑い芸人や声優、ミュージシャンを目指していた人たち。彼らが、その道を断念し、就職活動をしようと思ったとき、すでにどっぷりアルバイトで生活費を稼いでいるので、なかなか時間を割けません。

 また、大学卒業後、奨学金の返済に追われているケースも、これに当てはまります。労働者福祉中央協議会が2019年3月に発表した「奨学金や教育負担に関するアンケート調査」によると、毎月の平均返済額は1万6880円でした。人によりますが、私の見た限り、多い人だと毎月2万円程度、奨学金を返済している人もいます。

 そのなかには「夜勤シフトに入りまくって、夜勤手当で稼いでいる」なんて人も多く、彼らは日中は睡眠時間にあてる必要があるため、就職活動の準備がままならない状態に陥っています。

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