JR北海道の指定席「uシート」を体験。ゆったり快適な旅に
もうすぐ夏休みを迎える社会人や学生が多いことだろう。この夏は青春18きっぷや北海道&東日本パスなどを使い、北海道に行ってみてはいかがだろうか。
JR北海道札幌圏の特急〈カムイ〉〈すずらん〉、快速〈エアポート〉などに「uシート」という、快適な車両が連結されている。
20年目のuシートを見に北海道へ
JR北海道の社員が仕事で全国各地の鉄道を乗り歩いた末、普通車とグリーン車の中間をコンセプトに電車指定席用の座席を開発した。その名も「“余裕”の旅を“あなた(You)”のために」という意味を込めたuシート。当初は北海道にゆかりのある名優、石原裕次郎にちなみ、「裕シート」の案もあったという。
2000年11月上旬に721系近郊形電車の改造により登場。当時、快速〈エアポート〉の指定席は、自由席と同じ転換クロスシートなので、格差をつけた。
座席はキハ261系特急形気動車の普通車に準じたリクライニングシートで、シートピッチは1030ミリ。転換クロスシートの910ミリに比べ、大幅に拡大された。背面にはチケットホルダーがあり、指定席券を挿し込めば、車内改札の際、乗客の声掛けを省略する。
客室にニュースなどを流すFM文字放送装置(2014年に終了)を設置、床はカーペット敷き、室内灯は電球色に変え、暖かみのある空間を創出したほか、スーツケースやキャリーバッグが収納できるよう大型荷物置き場を設けた。
広がるuシート搭載車両
2001年3月には781系特急形電車の指定席もuシートに改造され、シートピッチも721系より若干広い1050ミリに。以降、JR北海道の特急形電車では標準となる。
当時、uシートは改造車、半室構造としていたが、2001年12月に785系特急形電車のuシートが新製車として登場。1両まるごとの全室構造になり、リクライニングシートはオリジナルデザインに。また、パソコン用のコンセント、車椅子対応の洋式トイレ、旅客情報案内装置も設置。“最高級のuシート”に仕上がった。
その後、721系のuシートも半室から全室化、もしくは普通車に戻す改造が実施されたほか、新製車も現れた。このほか、2007年6月に789系1000番代特急形電車、2014年6月に733系3000番代通勤形電車が、いずれもuシートつきで登場した。