みんな就活にモヤモヤ?「アウトロー採用説明会」に参加してみた
就活生に有利な売り手市場と言われる近年の就活市場。就職情報大手のディスコの調査によれば6月1日時点の2020年春卒業予定の大学生・大学院生の内定率(内々定含む)は71.1%という高確率を記録し、就活の早期化が進んでいます。
大学生は3年の夏ごろにはインターンや説明会に参加し、内定までせわしなく就活戦線を突き進んでいるのが現状。そんな中で、既存の就活システムに一石を投じる、あるイベントがにわかに注目を集めています。その名も「就活アウトロー採用」。
2013年に、「デコボコラボ」という名称でスタートしたこのイベント。“就活”と銘打ってはいるものの、エントリーシートなし、服装・髪型自由、面接なしという間口の広さですが、このイベントで内定を手にした学生も多いといいます。
いったいどんな参加者が来るのでしょうか? アウトローを採用する企業の目的は? 謎の多いこのイベントの実態に迫るため、現在は都内の私立大学4年生で(1年休学したため)これから就活を控える筆者が参加してみました。
意外に「普通」な「アウトロー」たち
6月10日、就活アウトロー採用の説明会が開かれるということで、都内某所にある地下のイベントスペースを訪問。
この日、都内は大雨。「就活生にとって最も忙しいこの時期にちゃんと参加者が来るのだろうか……」と、勝手に心配しながら会場に入ると、座席数が足りなくなるほどの人数が集結。一人で参加するのには心細さもありましたが、ほとんどが自分と同じように単身での参加でした。
「アウトロー」という言葉の割には、派手な見た目の参加者は少ない印象。また、髪型・服装自由でも、ほとんどが黒髪で、スーツでの参加者も2割ほどいました。男女比は、男性が6~7割で、女性は3~4割の印象。パッと見は、普通の就活イベントとそこまで雰囲気は変わりません。
説明会が始まると、イベントを主催するNPO法人キャリア解放区代表の納富順一さんが登壇し、簡単に趣旨を説明。そして、「近くの人とグループを組んで、なぜ今回、ここに足を運んだかを話し合ってみてください」と指示を出しました。
「再就職」「休学」参加者それぞれの事情
さっそく、私も周りの席にいた4人の参加者と席を囲みグループワークを開始。それぞれここに来た理由を話し始めます。
「一度、大学を卒業し就職したけれど、すぐに退職してしまい再就職先を探しに来ました」
「学生時代からの活動を続けたいので、それを受け入れた上で自由に働かせてくれる会社を見つけに来ました」
「私は京都の大学生なのですが、現在休学中で、自分がどんな働き方をしたいかを模索するために新幹線で来ました」
「なんとなく」「好奇心で」といった理由で来たような人は少なく、それぞれ現実的な課題を抱えている人が多い印象を受けます。