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京急電鉄、昭和初期の名車「デハ230形」リターンズ。赤い雄姿が再び

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 京浜急行電鉄(以下、京急)は、総合車両製作所の協力のもと、デハ230形デハ236号の車体修繕作業を2年かけて完了。赤い雄姿がよみがえった。

京浜急行電鉄

総合車両製作所の修繕庫で、ささやかな記念式典が執り行なわれた

 また、報道公開日は横浜シーサイドラインの運転が再開されたので、その模様も併せてお伝えする。

京急デハ230形リターンズ:鮮やかな姿がよみがえる

 デハ230形は京急の前身、湘南電気鉄道時代の1929年、デ1形として登場。デハ236号の車体は最大長さ16メートル、最大幅2.74メートル、最大高さ3.96メートル、自重33.5トン、定員は100人。主電動機は93.3キロワット(125馬力)を4台搭載した。

 1930年の開業時より営業運転を開始。1948年、京急発足時にデ1形はデハ230形に改番され、1978年に引退した。

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京急に帰還後、2年に及ぶ修繕工事が始まる

 デハ236号については、公募により川口市立科学館の前身、川口市児童文化センターに移り、1979年より保存及び展示されていたが、2017年5月、京急にリターンズ。横浜市みなとみらい地区に建設が進められ、2019年秋に移転予定の京急グループ本社1階、「KEIKYU MUSEUM」(2019年度内オープン予定)に展示されることになった。このため、2017年5月から総合車両製作所で修繕工事が始まった。

 ちなみに、現存するデハ230形はほかに2両あり、1両は久里浜工場でデ1形に復元。もう1両は「ホビーセンターカトー東京店」(都営大江戸線落合南長崎駅下車、徒歩5分)に展示されているという。

引退時仕様で修繕

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美しい姿がよみがえった

 デハ236号は可能な限り引退時の仕様に修繕。ムードを出す、メンテナンスを加味しながら進めたという。台車(MCB-R型)については、久里浜工場で整備しており、仮台車を履いている。

 車内を覗いてみると、室内灯は直流の蛍光灯(ちなみに家庭用は交流)からLEDに変更。温かみのある電球色により、木製の床などを引き立てている。個人的に気になったのは扇風機。“昭和初期からあったのかな?”と思い、京急社員に聞いたところ「昭和30年代(1955~1964年)に設置された」という。

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非冷房車なので、車内は天井が高い

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デハ230形の運転台

 なお、「KEIKYU MUSEUM」オープン後、車内の公開を検討しているそうだ。この日、車内は入室禁止となっており、各メディアは昇降台を使って撮影した。どのような形で車内を公開するのかが気に注目したい。

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