見せかけの高年収にダマサれて転職…“タブー”でも必ず聞くべき質問
結婚より離婚のほうが100倍大変という話は聞いたことがあるでしょう。誰も離婚を前提に結婚はしないのが普通。ゆえに離婚となると揉めるのです。
転職も同様です。転職する時に「退職」する時のことを聞くことはためらうことが普通です。ここに罠があります。「結婚したら婚約時とは別人だった!」ということが、会社人生でも起こるからです。
結婚同様、これから一緒になりたい人に、わざわざマイナス面を見せることはしないのが普通です。転職するほうも、どうしても今の職場より、良いところに目がいくことは前提です。そこを見抜く視点のひとつが退職金制度の有無です。早速解説しましょう。
高い年収水準だけで企業を判断するのは危険
20代であれば退職金や住宅手当などの福利厚生面を意識した転職は少ないでしょう。やりがいのある仕事や月々の給料、年収が今より良くなることを考える人が9割以上と言われています。ここに落とし穴があるのです。報酬は月給、賞与、年収だけではありません。住宅手当、家族手当、退職金など福利厚生面全てを含んだ姿が本来の姿です。
そう、直接的な報酬で見えやすい月給や年収を業界水準とみせかけ、年金・退職金など福利厚生という形で支払われる報酬をカットしているケースが実は多いのです。ゆえに、月給や賞与を入れた年収水準が、業界水準なので適正と判断するのは、危険です。
福利厚生面がゼロであれば、トータル報酬としてはマイナスになるかもしれません。同じ業界水準の年収を出していても、A社は退職金制度がある。B社は退職金制度がない。となると、定年までいると仮定したとき、数千万円単位で生涯年収の差が出ます。
B社のように、表向きは業界水準と見せておき、トータル報酬では標準以下という会社にとって都合がいい、人件費カットをしているケースも実は多いのです。見せかけの年収水準に騙されてはいけません。
入社時に「退職金の有無」を確認するのはアリか
入社時に退職金のことを聞くなんてタブーだと感じるかもしれません。しかし、制度のことなので、素直に聞くのが一番です。「退職金制度はありますか? ざっくり何年いたらどれくらいでるのですか?」と聞けば、企業側は答えないわけにはいきません。
なぜなら、企業は就業規則をしっかり伝える必要があるからです。スタートアップ企業などで退職者がまだ存在せず、退職金制度がないケースもありますが、その時は「もし、将来退職することがあったら、退職金ってありますかね?」と確認しておきましょう。
「年収水準に退職金も前払いとして入っている」と、説明するケースもありますが、その時は退職金分の上乗せの額と根拠を聞きましょう。