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住宅ローン「フラット35」を悪用する個人たちの“儲けの手口”

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 住宅金融支援機構が金融機関と提携し提供する「フラット35」が、投資目的で不正に利用された疑いがあると報道されています。

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※画像はイメージです

 住宅金融支援機構は、この報道を受け、全件調査へ乗り出すことを発表し、70万件もの膨大な融資件数に対する調査方法にも注目が集まっています。今回の問題について、住宅ローン事情に詳しい「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」(全宅ツイ)に話をうかがいました。

審査がゆるくて通りやすかった「フラット35」

 住宅営業マンの峰不二雄ちゃん@ebimank)は、今回問題となった「フラット35」の特徴を次のように説明します。

「名前の通り35年のフラット=固定金利となっており、たとえば一般的な銀行、三菱UFJで35年の固定金利が1.56%(5月時点)に対して、フラット35は金利1.29%と、0.27%も安く借りられます。

 さらに民間住宅ローンで加入必須となる、団体信用生命保険(団信)の加入が不要なのもフラット35の特徴です。健康状態に不安がある方でも、住宅ローンを借りやすいのです」

 低金利かつ長期固定で、住宅ローンを組めるとあって人気を集めたフラット35。人気の理由はそれだけではありません。

「銀行の住宅ローンだと、年収や勤続年数の条件がありますが、フラット35はかなりゆるく、従来住宅ローン審査が通りにくかった外国人(要永住権)やアルバイトの方でも借入することができます。私が担当した派遣社員のお客さんも、銀行のローン審査に落ちたけど、フラット35で無事に借りられました」(峰氏、以下同)

 民間金融機関では融資を受けるため「年収400万円以上」などの収入条件を設けますが、フラット35では最低年収などの制限はなく、返済比率に基づいた融資額を設定していました。

年間45万5060円が不労所得になるカラクリ

 多くの人が住宅を持てるよう、門戸を開いて審査を行ってきたフラット35。しかし、「その懐の深さにつけ入るような不正があった」と、峰不二雄さんは言います。

「自分が住まない投資用物件を、居住用に見せかけてフラット35で資金を調達することを、業界では『なんちゃって住宅ローン』と呼びます。これは立派な違反行為です。金銭消費貸借契約(金消)を結ぶ際、『住宅資金用途以外に利用したら一括返済となります』と、私が知ってる真面目な担当は口をすっぱくして説明をしてますから」

 峰不二雄さんは、「なんちゃって住宅ローン」の実態を次のように説明します。

「たとえば、不動産会社Aが毎月7万円で賃貸されているマンションを1000万円で仕入れて、個人Bへ1500万円で販売します。Bはフラット35を利用して、金利1.2%で売買代金を借ります。Bは毎月7万円の家賃が入ってきて、ローン支払いは毎月4万3755円となります。差額の2万6245円が毎月Bの手元に残り、年間31万4940円(追記:初出の数字が間違っていたので訂正いたしました。5/21)が働かなくても入って来るのです。

 業者はセミナーなどで見込み客を集めて、『実需です! 住民票も移動します!』と叫ばせながら、フラット35取扱実績No.1のARUHIなどに突撃させてたわけです」

 業者は物件の転売で利益を得て、購入した個人も家賃とローン返済の差額を不労所得として受け取れる。Win-Winのように見えますが、れっきとした不正行為であり悪用は言語道断です。

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