ProblemとIssueは同じ「問題」。正しくニュアンスを伝えるには?
日本語では「問題」という単語にいろいろな意味があります。何か良くない知らせは「問題」ですし、「課題」と同じような意味で「問題」が使われることもあります。
「今日中に注文商品を出荷できるかどうかは、梱包が間に合うかが問題だね」という「問題」にはまた違ったニュアンスがあります。
英語でも似たニュアンスの表現がいくつかあります。
ProblemとIssueは同じ「問題」だけど
【第28回】「問題」の表し方
まず「問題」の訳語として思いつくのはProblemでしょう。「今日中に出荷できなければ、それは問題だ」というように、「厄介な出来事」の意味。マイナスのイメージが強く、解決が望まれる内容です。
みなさんの中には、「問題」をIssueと訳すことが多いことをご存知の方もいるのではないでしょうか?
Problemと同様にややマイナスのイメージはありますが、程度に大きな差があります。That is a problem.は本当に大変な印象を受けますが、That is an issue.はそこまでの緊急性は感じられません。
交渉の席で何か難しい局面に直面した時、That is a problem.と言ったら、すぐにでも問題解決に乗り出すことが必要かもしれません。しかしThat is an issue.と言ったら、少し猶予がある雰囲気です。
ビジネスシーンで使うときの注意点は?
「Problemは解決する重要性が伝わり、Issueは議論する重要性が含まれる」というネイティブスピーカーも少なくありません。どちらも議論が必要ですし、解決が求められるのですが、Problemのほうが強いイメージなので、ビジネスなどでは気を付ける必要があります。
似た意味の単語としてChallengeもあります。「チャレンジ」というと、「何かに挑戦する」という意味の動詞として捉えがちです。もちろん動詞としての意味もありますが、That is a challenge.のように、名詞としても使うことができます。
「挑戦すべき事柄」「取り組むべき事項」の意味ですが、「なかなか一筋縄にはいかない」という意味合いが含まれます。なかなか説得の難しい相手を説得することはChallengeですし、消費者の財布の紐が固くなる中で売り上げを伸ばすのもChallenge。