事故物件住みます芸人でも遠ざける「ヤバい物件」とは?
巷で話題の激安商品。収入も限られている20代サラリーマンにとってはありがたい存在だが、あまりにも安すぎて粗悪ではないか? という疑問を解消すべく、実際にお得なのか試してみた!
室内で自殺や殺人などが起きたいわゆる「事故物件」は、どのぐらいお得なのか。2012年から自ら事故物件に住み続け、『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)を上梓した“事故物件住みます芸人”の松原タニシ氏に話を聞いた。
事故物件はお得な激安物件なのか?
「事故物件の家賃は大家さんの裁量次第なので、実は大して安くならないんです。ただし、UR賃貸住宅の『特別募集住宅』は別です。事故物件の家賃が1年間だけ半額になるので、圧倒的に安い。敷金以外の初期費用もゼロなので、特別募集住宅を転々と渡り歩く若者もいますね」
松原氏は過去、大阪市内の特別募集住宅に申し込み、広い2DKを賃料2万6000円でゲットしたという。ときに掘り出し物も見つかる事故物件だが、もちろん注意点もある。
「殺人の起きた部屋はやめたほうがいい。刑期を終えた元殺人犯が、自分の郵便物などを取りに戻ってくることがあるんです」
……幽霊より人間のほうが怖いといういい例だ。老人の孤独死の場合も死後何日ぐらい経過していたかは、確認したほうがよさそうだ。
「夏場は数日で遺体が腐り、強烈な腐臭を放ちます。死後1か月もたてば床の奥まで臭気が染みつくんです」
なぜ事故物件に住み続けるのか
現在、6軒連続で事故物件に住み続けている松原氏。奇妙な体験をしたことも多かったと語る。
「後輩を家に連れてきたら急に『頭が痛い』と訴えて、しばらく頭痛が治まらなかったヤツもいましたね」
なぜそこまでして、松原氏は事故物件に住み続けるのか。
「事故物件に住み続けると、自分に自信が持てたんです。『死と生はいつも隣り合わせ』という実感が得られ、死生観も深まります」
事故物件は必ずしも激安とは限らないが、人によっては値段以上の価値を見いだすこともできる。ただし、くれぐれも自己責任で。
【松原タニシ】
お笑い芸人。1982年、兵庫県生まれ。テレビ番組『北野誠のおまえら行くな』の企画をきっかけに、’12年から事故物件に住み続けている
― あの激安商品を試した! ―