博多ラーメンの一風堂、世界で愛されるスープの秘密
「変わらないために変わり続ける」
とんこつの旨味を多く含んでいる、一番ダシを惜しげもなく捨てることが美味しさの重要なポイントで、この工程をすることによって、臭みやえぐみを消すことができるそうです。
一風堂の理念は「変わらないために変わり続ける」こと。一風堂の味は、時の流れとともに変化する味覚に合うように、常に味を調整しているそうです。冨田さんは番組の中で「(お客様に)また来たいと思ってもらうためにやっている」と語ります。
もちろん、味の工夫はスープだけに留まりません。麺も原材料を見直し、何度も試作を重ねながら、ベストの状態でお客様に提供できるように改良を重ねる様子が放送されました。
ラーメンがもっとも好きな県民が多いのは山形?
NTTタウンページが運営するタウンページデータベースによると、もっともラーメンが好きな県民は山形県だそうです(2015年。人口10万人あたりの、タウンページに登録したラーメン店件数がもっとも多い)。続く第2位は新潟県、3位は栃木県、秋田県、北海道となっています。
山形と言えば、芋煮であったり、米沢牛のイメージが強かったりと、ラーメン好きの結果に意外に思われるかもしれません。しかし、新横浜ラーメン博物館に出店した龍上海の赤湯ラーメンなど、ご当地ラーメンも少なくないのです。
また、この結果に目をつけた山形県南陽市では、ラーメン好きの市役所職員と市内外の市民各10人程度を「ラーメン課」員として募集し、町おこしプロジェクトとして観光客誘致の取り組みがなされました。
そのデータでは、福岡県の人口当たりラーメン店はもっとも少ない部類。ですが、ラーメン店が軒をつらねる博多に限れば、違った結果になりそうですね。
今すぐ一風堂のラーメンを味わいたいとの声が多数
「うわー、ラーメン食べたくなったー飯テロだよー」
「海外で86店舗…これはすごい」
「こういうこだわりを見ると、無性に食べたくなる」
深夜帯という時間に放送されたこともあって、SNSでは、一風堂のラーメンを食べたいという気持ちにさせられた人が少なくなかったようです。実際、次の日に一風堂に足を運んだと報告するツイートも多く見かけました。確かに、あれだけ手をかけられて、こだわりをもって作られていることを知ったら、味を確かめに行きたくなるものです。
一風堂創始者の河原成美会長のラーメンに賭ける情熱に惹かれ、4年前に一風堂に転職してきた冨田さん。番組の中で、「『できない』ことはない、『できない』と言いたくない。難しい課題がくるほど楽しさがある」と語ります。今日も、博多ラーメンの美味しさをとことん追求するために、ラーメンと真剣に向かい合っていることでしょう。
<TEXT/湯浅肇>