奨学金を借りてまで“Fラン大学”を卒業した若者。後悔はあるか?
後悔はありません!
一方、山上さんとは正反対の意見を持っているのが、田中佳子さん(28歳・仮名)です。「自分の母校がFランクと紹介されることに抵抗がある」そうなので、大学名は伏せますが、彼女は千葉県内にある私立大学を卒業。偏差値は35~37.5(参考:Studyplus)の学校です。
「後悔はないです! でも、入学当時、自分の周りの友人は都内にある大学に通い、合コン三昧とか、美味しい学食の話とかをしていたって聞くと、もう少し都会でイケてる学校に行けば良かったと感じました。
でも、『自分で積極的に動けば、どこの大学でも楽しめる』と当時入っていたサークルの先輩に言われてから、目が覚めました。インカレに入れば学外の友達もたくさん出来ますし、大学生活をエンジョイできましたよ」
インカレなどは他大学の学生も多く集まると思うのですが、大学名で優劣が決まるなんてことはなかったのでしょうか。
「まあ、例えば青山学院大学とかの看板を引っ提げている学生は羨ましかったです。でも、向こうも平等に接してくれていましたし、サークルを仕切っていた部長も大学名で差別することはなかったです! ちなみに就活でも、学歴フィルターをかけられたり…などを感じたことはありませんでした」
奨学金が仕事のガソリンに
田中さんも日本学生支援機構から有利子の奨学金を月5万円、4年間借りていました。元金だけでも240万円の大金ですが、もう少しで完済できる計画だと言います。
「私は人材派遣会社で働いていて、成績に応じて歩合が付くことも多いです。なので、臨時ボーナスが出たときはまとまった額を返済するようにしています。返済期間は確か15年とかなのですが、30歳ころまでには返せる計画です!
むしろ、奨学金のおかげで仕事のモチベーションが上がるというか、早く返済することを目標にしていると、たくさん稼がなくちゃってなる。なので、ガソリンにはちょうどいいと思っています」
そのうえで、田中さんは「名刺に学校名が記載されてるわけじゃないので、職場や訪問先などで居づらい気持ちになることはもちろんない」と、キッパリ。
「仮に書いてあっても恥ずかしいとは思わないですね。名のある大学を出たほうがイメージが良いのかもしれないけど、結局はどれだけ仕事ができるかが社会人としての勝負だと思います。むしろ有名ではない大学のほうが、求められるハードルが低い分、頑張れば評価がグンと上がる可能性もあるし、良いことだってあるんですよ(笑)」
共に奨学金を借り、同じランクに括られる大学を卒業しながらも、ここまで違う意見。世間の評価よりも、結局は個人の気の持ちようが一番重要だということですね。
<TEXT/ロケット梅内>