猫が店員の本屋さん。猫好きサラリーマンが実現した夢と働き方
「副業という言葉があまり好きではない」
――先ほどの本に「副業という言葉があまり好きではない」とありますが、なぜですか?
安村:副業って小銭稼ぎなイメージがあって。僕はいま会社員と本屋というまったく違う仕事をしてますけど、どっちかがおまけとかサポートというわけじゃないですから。
――収入を支えるもうひとつの仕事というよりも、精神面などを支えるもうひとつの仕事を見つけたいという気持ちが強かったんでしょうか。
安村:会社員だけやってても普通に生活できますし、夫婦で旅行したりもっと楽しくもっと刺激のある生活はできたと思うんですけど、それだと精神的に満たされないなと思って始めたのが本屋なので。
会社員とは別の一日の過ごし方や世間への役に立ち方というのが、きっとあるはずだと思っていたんです。
自分の年齢だからこそ、実践できたキャリア
――会社員と本屋、本当にまったく違う仕事内容ですが、切り替えは意識的にしているんですか?
安村:通勤電車に乗っているときに切り替えてるのかな。あまり意識はしてませんね。
――本屋のことが気になって昼間の仕事に集中できないということはなかったですか?
安村:それは最初からなかったですね。朝まで本に値付けをしてて、会社で眠くてしんどかったことはありますけど。そういう体力面のきつさはありましたが、いまは慣れました。
――もうひとつの仕事に精神面で引っ張られないというのは、いろんな経験をしたうえでパラレルキャリアを始めたからかもしれませんね。若くて経験が浅いとスマートな両立が難しい気がします。
安村:だから、精神面で引っ張られてしまう危惧がある人は、無理してパラレルキャリアや副業を始めないほうがいいと思います。
20~30代って体力はあるけど、気持ち的な余裕は少なかったり、何かヤバいことが起こったときのいなし方に慣れていなかったりしますからね。そういう意味では、ひとつに集中したほうがいいのかもしれません。