地面師事件、かぼちゃの馬車…最後の「平成経済事件」はなぜ起きたか?<異色対談>
シェアハウス「かぼちゃの馬車」問題について
――アパート経営といえば、今年はシェアハウス「かぼちゃの馬車」の破綻が大きなニュースとなりました。
たにやん:スルガ銀行がかぼちゃの馬車への融資を絞った結果、かろうじて自転車操業で回ってたサブリースが破綻して問題が発覚した。シェアハウスに限らず、お金の流れが止まった瞬間、一気にいろいろな問題が表面化する。これって過去のバブルでも散々起きてきた事例でもありますよね。
ボヴ:あの問題って、買いたい人たちの勘違いもあったと思うんですよね。報道を見てると、被害者の多くは、ある程度のところに勤めていてローンは組めるのかもしれないけど、ぜんぜん貯金もない人ばかりで。
そういう勘違いしている人をセミナーでたくさん集めて、「サブリースで30年家賃保証しますんで!」と言われると、冷静に考えれば成り立つわけがないのに信じてしまう。
バブルを彷彿とさせる「地面師事件」
ボヴ:ちなみに、かぼちゃの馬車ではないんですけど、僕の知り合いで別のブランドのシェアハウスを投資家に供給していた人間がいました。昨年あたりまでは非常に儲かってたらしく、毎晩銀座で豪遊してましたけど今は行方不明です。
――積水ハウスが被害にあった地面師事件も、かつてのバブルを彷彿とさせるような出来事でした。
ボヴ:あの事件って、登場人物の多さもさることながら、関係者ってみんな年いった人ばかりじゃないですか。地面師のようなアナログで手の込んだ犯罪は、今の若い人がインチキして稼ごうと思ったときに真似ができない無形文化財みたいなもので(笑)。
――ロストテクノロジーみたいな感じですかね。
ボヴ:人数にしても手口にしても、手が込んでますよね。だまし取ったお金もATMで何回にも分けて、例えば限度額の1回50万円を何度も引き出して、それをフィリピンに現金で持ち込んだりしている。やはり手間暇がかかっている。