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基本給11.5万円、昇給ナシ…児童館の館長が訴える、公共機関の「残酷な真実」

ビジネス

昇給がないことで「将来的な不安が」

 業務内容はわかったが、雇用形態についても知りたい。みかんさんに給与事情を語ってもらった。

「自治体によって異なります。公務員として雇用するケースもあれば、指定管理者制度によって公共施設の運営・管理を株式会社やNPO法人が行って従業員を雇用することもあります。私が働いている児童館は後者です。他の従業員の給与状況はわかりませんが、私の場合は基本給は11.5万円

 そこに休日出勤手当や役職手当などがつけば何とか見られる数字になりますが、それでも他の業種の平均給与と比較すると低いです。なにより、昇給がないことはモチベーションに大きく影響しますし、将来的な不安にもなりますよね

 現状を放置することは児童館に従事する人が満足な生活を送れないだけでなく、子供の成長にも悪影響を与えかねない。そして、 待遇が悪いことの弊害も否めない。

指定管理者制度が適切に運用されていない

「やはり人手不足につながりますよね。また、辞めなくても『これだけしかお金がもらえないなら、頑張って仕事しなくて良いよね』という意識を生んでしまいます。こういう姿勢は良くないとは思いますが、私もよくわかります」

 待遇改善のために必要なこととして、「指定管理者制度が適切に運用されておらず、見直しが必要です」と語気を強める。

「当初は、いろいろな株式会社やNPO法人が公共機関の運営や管理を行うことで、各々の独自のアイデアを生かすことにより、住民のニーズに柔軟に応えやすくなり、従来の自治体にはないサービスを提供することが可能になること。魅力的な自主事業や地域向けイベントの充実化、利用者満足度の向上にもつながることが期待されてきました」

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