「現場が不公平」が合言葉。日本の“横並び主義”がもたらす同調圧力の正体
女性の活躍を阻む、男性中心の同調圧力
同じように職場での横並び主義=無意味な同調圧力として、「オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)」なる言葉をご存じでしょうか。
男性中心の組織が作り上げてきた独特の仕事の進め方や人間関係を指す言葉です。飲み会、喫煙所での雑談、ゴルフ仲間同士の会話等々。こうした男性中心のネットワークで仕事の方針や重要事項が決まったり、人間関係が構築されていき、女性の活躍を阻む要因として指摘されています。
かく言う私もOBNの存在が若手の頃から大の苦手でした。なぜ、仕事が溜まっているのに無理に飲み会に参加したり、興味のないゴルフを始めたりしなければいけないのか? 就業後や休日はしっかり体を休めた方が、仕事のパフォーマンスは上がるはずなのに……。
男性固有の「あうんの呼吸」の代表例は
企業での女性活躍を推進する「J-Win」が作成したOBNの代表的項目を、抜粋して列挙してみます。
◎行動(成功体験)の押し付け
◎上司への忖度
◎男性固有のネットワーク
◎男性固有のイベントなど
OBNを良しとする人々は、こうした閉鎖的な空間で形成されるネットワークやコミュニケーションを通じて、「あうんの呼吸」が可能になると主張しがちです。しかし、本当にそうでしょうか?
私はCOVID-19のパンデミックのだいぶ前からテレワークを取り入れ、飲み会の参加は年に数回程度、タバコもゴルフも一切やりませんが、多忙な日々を過ごしています。OBNによって形成される「あうんの呼吸」がなければ仕事ができない、生産性が上がらないとはまったく感じません。
むしろ、閉鎖的空間で情報共有がなされぬうちに物事が決まっていくのは、そのコミュニティに入らない私のような人間や女性、若手の生産性やモチベーションを下げるデメリットの方が多いと感じます。