優秀な人ほど要注意。ドラッグや酒に逃げて「病みやすい人」の特徴
「やるかやらないか」から起こるプレッシャー
裕福で学歴もある学生に問題が起きやすい理由を、研究チームはこう推測しています。
「『人生はやるかやらないかだ』という生き方が、いま世界中に広まっている。しかし、この考え方が個人と社会に及ぼす影響をもっと真剣に考えるべきだ」
目標に向かってすばやく行動を起こすのが悪いとは言わないものの、現代では「やるかやらないかだ」に代表される行動規範のプレッシャーが強く、メンタルを病んでしまう若者が多く見られます。効率と生産性の暗黒面であることは間違いないでしょう。
デメリット②効率化の意識が生産性を下げる
効率や締め切りを強調する企業は、実は従業員の生産性が低い傾向があります。ウィリス・タワーズワトソン社が行ったリサーチでは、日本をふくむ世界12カ国から2万2347人のビジネスパーソンを集め、それぞれの職場におけるプレッシャーレベルをチェック。
このデータを全員の仕事ぶりと比べたところ、高い目標や生産性を重んじる上司のもとで働く者ほどストレスが多く、仕事のモチベーションは低く、病欠の確率が高く、生産性が下がる傾向が認められました。
このような現象が起きるのは、効率アップと締め切りの追求で、ストレスが慢性化するからです。いつも時間のプレッシャーにさらされ続ければ、本人が気づかずとも心身は慢性的に緊張を続け、ほどなく私たちの脳は負荷に耐えきれなくなります。その結果、最後には心身のバランスが崩れ、ネガティブな思考や睡眠障害、音や光への過敏さなどが起き、生産性の低下につながるのです。