新卒の“魔法少女”を募集。人手不足の「ベンチャー魔法少女企業」の行く末は
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+」で毎週水曜日更新で好評連載中の『株式会社マジルミエ』(原作:岩田雪花 作画:青木裕)は、“魔法少女”を派遣するベンチャー企業を舞台にした作品だ。
過去の名作へのリスペクトに満ちた“魔法少女要素”に加えて、リアリティ溢れるビジネス描写にも読者の共感が集まっている。作品ができる経緯を聞いた前回の記事に続き、原作者の岩田雪花さんにキャラクターの造形や作品の設定作りについて語ってもらった。
また、インタビューと共に、『株式会社マジルミエ』の第1話の後半部分を紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい。
【前回の記事】⇒≪“魔法少女”が職業になった世界。お仕事内容は「怪異現象を退治すること」≫を読む
【マンガ】⇒『株式会社マジルミエ』の漫画を最初から読む
登場人物が生まれた経緯は?
――企画の段階で最初に生まれたキャラクターは誰ですか?
岩田:重本社長です。小池一夫先生の本に「毎日3キャラずつ、1年間描き続ければ漫画家になれます」というようなことが書かれており、その数百人目が彼でした。キャラクターを作る際に何か意外な組み合わせをする、というのが当時の方法だったのですが、「魔法少女業界に魔法のステッキを売っている営業マン」を考えた流れで「魔法業界企業の社長」が出たのだと思います。
――主人公のカナを始めとした他の登場人物たちはどのような過程で誕生したのでしょうか?
岩田:カナは手癖で描いた「魔法少女というイメージの女の子」だったため、内面までは1話を描くまで何もできていませんでしたね。越谷さんは、魔法少女っぽくないヤンキーなら面白いだろう……ということで、結構すぐに生まれました。
「魔法の道具オタクが欲しいな」と、越谷さんと同時くらいに生まれたのが、エンジニアの二子山です。早口で魔導具の型番で語る……みたいな設定だけ作ってありました。営業の翠川は、別の企画候補の中で出てきたキャラクターでした。良いキャラだったので、そのまま本作にも登場させた形です。
なぜベンチャー企業なのか?
――魔法少女&ビジネスを組み合わせた作品を描くうえで、ベンチャー企業を舞台に選んだ理由を教えてください。
岩田:ビジネスものを描くのであれば大手に挑むベンチャーのほうが、色々と活躍させやすい&無茶もさせやすいかもしれないな……という目論見によるものです。