bizSPA!フレッシュ

前歯が全壊、ホームレス生活…現役探偵が語る「過酷な現場」の数々

ビジネス

進化するハイテク機器と探偵

盗聴器

 ストーキング以外では、盗撮・盗聴器発見調査も請け負う。盗聴器の発見には専用の道具を使うが、じつは「盗聴器を仕掛ける人物の50%は親しい身内で、家族への相談はかえって逆効果」だと栗村会長は言う。

 一方、女性を中心に被害が多発している盗撮に関しては、なかなか発見が困難という事情もある。

「近年は盗撮器の小型化が進み、比較的低価格で簡単に高性能な隠しカメラを買えてしまうんです。ペン型カメラなんて全然見つけやすいほうで、例えばメガネ型カメラなんてものもあるほど。世間で摘発されている盗撮は、ほんの氷山の一角だと思いますよ

「家出した息子を探して」余命1か月の父

 探偵の仕事は「他人の秘密を暴く」という性格がどうしても強く、栗村会長も探偵業をはじめて「他人を信じられなくなった」と語る。

 しかし、そんな探偵の業務のなかで、栗村会長が「感動して涙が止まらなかった」と語るエピソードがある。それは、家出した息子を捜索する依頼を受けた際のことだ。

「依頼主は、家出した息子さんのご両親でした。10年以上前に家を出ていった息子さんを探したいとの依頼だったのですが、『なぜこのタイミングなのですか?』と聞くと、お父様はガンを患い、余命が1か月しかないとのこと。そこで最期に息子さんと会いたかったというのです」

おすすめ記事