仕事ができない人ほど対応が遅い。“99%の人”がしていない仕事のコツ
圧倒的なスピードは感動を与える
この「すぐやる」は、自分の時間の飛躍的な有効活用以外にも、もう1つメリットがあります。ある人にこんなふうに言われたことがあります。「河野さんに問い合わせのメールを送信し、マウスから手が離れるかどうかというときに手元の電話が鳴って回答してくれた。あれには驚いた」。
圧倒的なスピードは、人に感動をもって自分を印象づけるのです。
ローマ帝国の礎を築いたとされるユリウス・カエサルは、常に1つの行動に2つ以上の目的を持たせていたそうです。一石二鳥とか、二兎も三兎も追ってそれを得る、というのを実行していたわけです。カエサルの活躍期間は20年程度といわれますが、短期間であれだけの仕事を成し遂げた彼ならではの逸話です。
ビジネスでは時間に制限があり、競争環境にもさらされているので、スピードこそが武器になります。1つのことに投入している時間や労力が、他の目的にも活用されれば、その分仕事はより速く、より多くできるわけです。
何事も「意識的に行う」こと
カエサルのような国家規模の戦略や政策でなくとも、われわれも、これを真似できます。例えば、次のようなケースです。
・他のフロアの誰かを訪ねるとき、近くに座っている別の同僚への用件も同時にすませる
・自分が議長でないオンライン会議などは、同時並行でチャットやメールに対応する
・移動時間は、英語のヒアリングやオーディオブック、資格取得など、自分の能力開発に使う
ポイントは、「意識的に行う」ということです。「結果的にそうなっている」ではなく、「この時間を、別の何かに有効活用できないか」と常に意識的に心がけるのです。これをクセにできると、パフォーマンスを上げながら、猶予時間も生まれるという大きなおまけを手にできます。極論すれば、人生を2度3度生きられることになるのです。