トイレのハンドドライヤー利用再開はいつ?苦境のメーカーに聞く本音
ハンドドライヤーの感染リスクは何%?
それでも、2年以上に渡って停止されていたハンドドライヤー。利用が再開されると、心配をする人もいることは事実。安心して利用できる根拠はどこにあるのか。
「北海道大学大学院の林基哉教授の監修のもと、三菱電機のジェットタオルで検証を行いました。すると、トイレ空間におけるハンドドライヤーが原因となる感染リスクは0.01%という数値が出たんです。仮に手洗いが不十分でも、0.87%までしか上昇しませんでした」
かなり低い数値に見えるが、「0.01%でも可能性があれば解禁しないほうがよい」と考える向きもある。しかしこの数値は、私たちが普段生活するような場所に比べても低いもののようだ。
「同じく林教授監修の試算では、例えばオフィス内では感染リスクが6.8%で、人が集まる会議室ともなると10%近くにもなるというデータが出ています。この検証は『トイレ利用者の20人に1人が感染している』という極端な環境を想定して実施しました。にもかかわらず、0.01%という数値なので私たちはリスクは低いと考えています」
反対意見があるのは承知の上
そもそも、コロナ以前から、ハンドドライヤーは衛生的でないという声も多いようだ。しかし、毛塚氏は誤解を解きたい点があるという。
「風を起こすので『ウイルスが飛散するのでは?』と心配される方もいるかもしれませんが、そもそも濡れた手を乾燥させるのがハンドドライヤーの用途です。つまりしっかり手洗いをしていただければ何も問題ないということなんですよ」
感染リスクが高いとされたトイレ空間とハンドドライヤーの使用。だが、先のオフィスなどとの感染リスクの比較からは、むしろ「手を洗ってウイルスを落とすチャンス」があると捉えることもできるのではないだろうか。