卒業論文もスマホで作成…若者の「パソコン離れ」が深刻に。“タイピング力”向上のコツは
大学も危機感を抱く大学生のPCスキル
「大学で開催されるOffice講座なども減ってきていますし、特に文系の学部ではパソコンの購入が必須でないところも多いです。聞いた話によると、卒業論文もスマホで作成し、LINEで提出する大学もあるようです。タイピング力が低下しているのは、文系の学生が多いでしょう」
パソコンを扱えない学生の増加には大学当局も危機感を抱き、理事会で真剣に議題として取り上げられるレベルの課題になっているそうだ。こうした背景もあり、「ハロー!パソコン教室」でタイピング講座の内容を若者向けにも調整したところ、若い世代の受講生が急増したという。
「従来のタイピング講座はシニア層がメインターゲットなのですが、最近ではタイピング系の講座に限って言えば若者が全受講者の半分を占めるまでになりました。近くに大学がある教室ですと、パソコンを持っていない学生や、タイピングに自信をつけたい学生がタイピング学校として利用されるケースも多いです」
ますます重要性が増すタイピング
日常生活はパソコンなしでも問題なく生活できるが、仕事ではそうもいかない。結局、大量の事務処理を高速で行うには、パソコンを使うのが1番効率的だからだ。
「タイピングが遅いと、シンプルに仕事の効率が下がります。特に事務職では、タイピングの速度を求められることも珍しくありません。しかし、タイピングのできない若者も増えているので、企業の悩みの種になってしまっています」
特に近年普及するテレワークを導入した企業では、「事務作業だけでなく、日常のコミュニケーションをとるにもタイピングが必須になっている」と、山城さんは語る。
「社内外へのメール、チャットツールの入力など、あらゆる場面でタイピングは求められます。もちろんタイピング速度が遅くてもコミュニケーションは成り立ちますが、テンポよく話を進めていきたい場面では、『返事が遅いな』と相手にストレスを与えてしまう可能性もありますね」