メールが苦手な人は生産性も低い。プロが教える「誰でもできる魔法の文章術」
読解力が低く、意図が分からない現代人
また、平野氏は「現代人は読解力が落ちています。書いてあることは読めているのですが、相手の本当の意図が分からないケースがあるのです」と嘆く。
「例えば、スーパーで『キムチを買ったけど辛すぎたから返品したい』と言われると、返品に“応じるか・応じないか”の二元論でしか考えない人が多い。本来であれば、『キムチを使用したレシピを提案する』とか『一緒に食べると辛く感じにくい他の商品を勧める』とか、選択肢は無数にあります。にもかかわらず、話の表面的な内容に囚われ、その先に眠っている選択肢を読み解く力が低下しています」と危惧する。
「怒らせる文章を考える」ことが読解力の向上に
読みにくいビジネスメールが送られてきた際、読解力がなければ読み間違えるかもしれない。文章力はもちろん、必須スキルと言える読解力の磨き方についても聞いてみた。
「『読み手から思い通りの感情を引き起こすビジネスメールを考えること』を実践すれば、対応力向上につながります。例えば、まだ入金していない人にメールを送る際、『まだ入金が確認できておりません。お手数ですが、お振込みいただけますか』と書くのが普通のメール対応だとします。
あえて読み手を怒らせる文章を考え、『社会人としてあるまじき行為です。信じられません。すぐに振り込んでください』と書いたらどうかと想像してみる。また、冷たい印象を持たせるためは、『入金がまだなので早急にお振込みください』と書いてみる。このように同じシチュエーションのメール対応でも無数のバリエーションが書ければ、文章を深く洞察・考察でき、相手との関係性に配慮しながら文章を自由自在に操れるようになります」