メールが苦手な人は生産性も低い。プロが教える「誰でもできる魔法の文章術」
コロナ禍においてテレワークが普及し、文章ベースのコミュニケーションが一般化した。そのため、文章力が低いために読みにくいビジネスメールを送り、余計な仕事を増やしてしまうケースは珍しくない。
前回は読みにくいビジネスメールの特徴を挙げてもらい、それらを気を付けるだけでもある程度の文章力向上は期待できる。ただ、より信頼されるビジネスパーソンになるために更なるレベルアップが重要だ。前回同様、ビジネスメールにおいて気をつけるべき点を『速く、正しく、感じよく伝わる すごい「書き方」の超基本 添削数1万5000通!メールのプロに学ぶ』(徳間書店)の著者で一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗氏(@hiranotomoaki)に話を聞いた。
まずは「型」を意識することから
読みやすいビジネスメールの書き方を聞くと、平野氏は「ビジネスメールには型があるため、その型に則って書かなければいけません」と答えてくれた。
「ビジネスメールは最初に宛名があり、挨拶、名乗りが続きます。次に、メールのテーマである要旨を書き、さらに伝えたい詳細があり、締めの挨拶で構成されます。ビジネスメールは熟読されない傾向にあるため、この型が守られていないだけで、読み手にストレスをかけてしまう。送り手と読み手の関係性、伝えたい内容にもよりますが、基本的にはこの型を守るだけでも印象は良くなります」
5W1Hを忘れないように
そして、「前回、『抽象的な内容では読み手を勘違いさせる』というお話をしましたが、抽象的な内容にしないコツとしては5W1Hを意識すると良いです」と続ける。
「What(なにを)・Who(誰が)・When(いつ)・Where(どこで)・Why(なぜ)・How(どのように)を漏らさず記すことにより、情報不足により誤解を与えるリスクは減らせます。ただ、『この日までに返信してください』『このような理由でメールしました』など、5Wを意識できていても、Howが抜けているケースは少なくありません。読み手が“どのように”対応すべきなのかも先回りして示すことで、読み手の負担を減らせますし、予定外の事態に発展するリスクをなくすことが可能です」
ビジネスメールの型を守ったうえで、5W1Hがしっかり記されていれば読み手が混乱することもない。加えて「と思います」「させていただきます」といった表現を自重するだけでも、スマートなビジネスメールが書けそうだ。