上司や経営者の言葉はスルーすべき?“必須のスキル”で仕事もうまくいく
スルースキルに抵抗があるかもだけど…
あなたが真面目な性格で、経営者が書いた本などを読まれていたりすると、「やり過ごし」、スルースキルなんていうことには抵抗があるかもしれません。
多くの場合、ビジネス書には「無理な要求でも無理と言わずに頑張って、結果を出す」みたいなことが書かれているからです。反対に、言い訳をする社員、後ろ向きな発言をする社員、官僚主義的な性向は悪であり、そんな奴は会社の毒だと言わんばかりです。
たしかに、経営者の視点では素直で従順な社員ばかりであればよいのはもちろんです。私たちもある程度の規模の会社の経営者であれば、そう願うかもしれません。しかし、それは政治家にとって、従順で自分に忠誠を誓う国民や報道ばかりであればよいのと同じくらい変なことでもあります。
経営者本を真に受けてはいけない
『できる社員は「やり過ごす」』で分析されているように、スルーされずにそのまま字義通りに指示を受け取る社員ばかりだと、実は会社組織としては機能不全を起こしかねません。さらに自分の頭で考える社員も育たない。
結果として、会社は成長しないばかりか潰れてしまうかもしれません。実際に、ワンマン社長の会社が、社長の思い通りに振る舞い、イエスマンばかりで潰れてしまうなんてケースはめずらしくありません。
経営者が書いた本というのは、当然ながら経営者の都合で書かれてあります。経営者から見てそうあってほしい社員の姿勢、会社の風土が書かれています。
さらに、有名企業になると、ジャーナリストや出版社が経営者の姿を持ち上げて書いてあることも多いものです。会社の広報が自社の経営者を「スター経営者」とすることで会社のブランディングを行っているというケースもあるそうです。つまり、ビジネス書には良い本もありますが、経営者都合からの本も多いということです。