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店舗激減の「コールド・ストーン」。同じ運営元「築地銀だこ」と差がついたワケ

ビジネス

国内だけでなく海外にも展開

ホットランド

 ホットランドは築地銀だこを主力事業とし、銀だこハイボール酒場などの酒場事業に加え、たい焼きの「銀のあん」などを展開しています。2021/12期末段階で国内608店舗・海外68店舗を展開し、国内店舗に関しては直営298店舗、PC140店舗、FC170店舗となっています。ちなみにPC店は社員独立制度を活用して開業した店舗を表します。2017/12期から2021/12期までの業績推移は以下の通りです。

【ホットランド(2017/12期~2021/12期)】
売上高:324億円→317億円→324億円→287億円→297億円
営業利益:11.0億円→8.6億円→16.7億円→11.3億円→9.7億円
最終利益:4.3億円→▲6.8億円→6.8億円→▲11.4億円→20.8億円
店舗数:642→632→659→645→676

施策が成功。堅調に推移した2021年度

 売上高、店舗数の推移をみると、コロナ以前の2019/12期まで横ばいとなっていることがわかります。「銀だこ酒場」のような居酒屋業態店を拡大したほか、東南アジアへの進出も進めましたが、主力である国内の築地銀だこが伸びなかったようです。

 出店数と退店数が同程度で、国内では進出の余地がないとみられます。冒頭で触れたコールド・ストーンに関しては話題性もないため、1店舗ずつ減少しました。一方の利益面では、タコの価格が高騰し。2018/12期は減益となりましたが、銀だこの価格改定や不採算店の閉鎖を実施した2019/12期は増益となりました。

 2020/12期、2021/12期はともにコロナ禍の影響で苦しむことになります。2020年度は築地銀だこの既存店売上高が前年比で5%落ち込んだほか、好調だった酒場業態店は19%も減少しました。『鬼滅の刃』とのコラボによって秋は好調となったものの、外出自粛の影響を打ち消すことができませんでした。コールド・ストーンにおいては出店ゼロに対して9店舗も退店し、行楽地に依存する店舗の厳しさがうかがえます。

 翌2021年度は依然コロナが続いていましたが、主力の築地銀だこに関しては既存店売上高が2020年度と等しく、減少に歯止めをかけることができました。テイクアウトに対応したロードサイド型店舗の整備やデリバリーの拡充といった施策が成功しているようです。また、スーパーやカラオケ店、居酒屋向けに冷凍たこ焼を販売する製販事業は堅調に推移しました。コールド・ストーンはさらに店舗を縮小しています。

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