「好きなこと」探しにこだわりすぎない。先輩経営者にもらった言葉に衝撃
新しいことにチャレンジするとき、「好きなこと」探しにこだわりすぎないことです。「好きなことをやりなさい」というアドバイスをよく聞きますが、そのまま受け取って良いのでしょうか。好きなことをやっていけば、果たしてそれで理想の人生になるのでしょうか。
話題の新刊『チャレンジ 挑戦をあきらめない生き方』(きずな出版)の著者で、大好きな旅行に行きながら、美容院(サロン)、セレクトショップ、不動産事業の3つの会社を経営している藤堂修氏が、「好きなこと」探しにこだわりすぎないことの大事さを解説します。(以下、同書を一部編集の上、抜粋)
「好きなことをやりなさい」は本当か?
「好きなことをやりなさい」というアドバイスをよく聞きます。私も新しいことにチャレンジするとき、「自分の好きなことってなんだろう?」と考えていました。
ただ、考えても考えても、「これだ!」というものは、なかなか浮かんできませんでした。いえ、正確に書くと、浮かんできたものはいくつかありました。でも、「好きなことをやっていけば、果たしてそれで理想の人生になるのか?」という疑問が出てきたのです。
私は3人兄弟の末っ子で、5つ年上の兄と、7つ年上の姉がいます。この5つ年上の兄が「飲食が好きだから、飲食店を将来的にやりたい!」という夢を叶えるために、突然、脱サラして飲食店を始めるといい出しました。これには家族全員が反対。しかし、そんな反対を押し切って、兄は店をオープンさせます。
反対を押し切って店をオープンさせた兄は
結果、地域一番店といえるほどに大繁盛するお店になりました。兄は、何をやっても、器用にかたちにしていく人でした。経営の経験もないなか、すぐに結果を出した兄のことを、私は今でも心から誇らしく思っています。
そんな兄は、飲食店を2店舗、3店舗と展開して、すぐにほかの「好きなこと」や「やりたいこと」に取りかかると思っていました。ただ、13年お店は続けていますが、1店舗目のような成功はなかなか難しく、2店舗目も出したものの、ほかの人に譲っています。
器用な兄でも「好きなこと」や「やりたいこと」を次々と実現するのは難しいものだと、自分としては、ショックを受けました。そうした記憶から「好きなことをやっていれば、それで理想の人生が手に入るのか」ということを考えてしまったのです。