欧米では「日本企業は戦いやすい」の意見まで。最大12兆円の損失を回避するには
人々の生活が変わったコロナ下で、デジタルマーケティングやDX推進の意識が強まっている。とはいえ、何から手をつけていいか普通のビジネスマンはわからないだろう。
そんな疑問に対し、2002年の創業よりデジタルマーケティング支援を行い、企業のDX化を推進している株式会社クリエイティブホープは「こうした悩みを口にするマーケティングリーダーが少なくありません」と回答。
同社は2015年より顧客関係管理(CRM)プラットフォームサービスを提供するHubSpot社のパートナーとなり、現在はプラチナパートナーとしてさまざまな企業のHubSpot導入・運用支援を行っている。今回は、デジタル化に遅れた日本企業が海外からどう見られているか? さらに課題克服のヒントについて、著書『HubSpotワンストップマーケティング』(株式会社クリエイティブホープ著・フォレスト出版)より紹介する(以下、同書より寄稿)。
「DX未着手・DX途上」企業が9割以上
もはやDXという言葉を聞いたことがないビジネスパーソンはいないと思いますが、実践できているどころか理解している企業も少ないと言われています。
たとえば経済産業省主宰の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」が2020年12月に公開した『DXレポート2』という中間報告書があります。それによれば「DXについて知らない」という「DX未着手企業」と「DXを進めたいが散発的な実施に留まっている」という「DX途上企業」が全体の9割以上を占めているそうです。
「DXの95%は失敗する」と言われていますが、実態は95%の企業が取り組んでいないだけです。失敗以前の問題なのです。
日本企業が2025年に最大12兆円の損失?
DXという言葉は2004年に提唱されたと言われていますが、日本で一躍有名になったのは、2018年に公開された『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』の影響でしょう。
このレポートの中で特に印象的な言葉が「2025年の崖」です。「日本企業がDXを実現できなければ、2025年に最大12兆円の経済損失が発生する可能性がある」というのが「2025年の崖」の意味するところであり、一企業の問題ではなく日本全体の問題として言及されています。
しかし、実際にこの損失を被るのは、DXを実現できなかった企業でしょう。実現できた企業同士は「勝ち組」として共存共栄し、実現できなかった「負け組」企業とは取引しないといったことが起こると考えられます。