感染再拡大でも「テレワークを拒む」のは誰か?元凶は経営層の意識の低さにも
出社に意味を持たせるためには
「また、テレワークの課題として、対面でのコミュニケーションがなくなったことにより、孤立感を覚え、メンタルヘルスを崩すケースが挙げられます。ですので、周囲に助けを求めながら業務を進める“ヘルプシーキング”のやりやすさが重要です。声を上げにくい状況ですと、業務の進捗状況が見えにくくなるだけでなく、不安や悩みを一人で抱え込むかもしれない。
しかし、いくら配慮しても、信頼関係が構築できていなければ声を上げることは難しい。時には出社を交えながら、対面でコミュニケーションすることも大切です。例えば、フルリモートを実践している顧問先の中には、年1回もしくは半期1回、“ワーケーション”を実施している企業もあります。
海辺の宿を借りて、会社の中長期の計画を話し合ったり、ご飯を食べながら自己開示したりしながら、仲を深めるのもひとつの手です。もちろん海辺の宿を借りる必要はありません。『出社しないとサボる』『これまで当たり前だったから』といった意識を捨て、“信頼関係を築く”という目的意識を持って出社すれば良いのです」
出社にも当然メリットはある。だからこそ、そのメリットを十二分に享受するためにも出社の意義を従業員に浸透させなければいけない。出社とテレワークをバランス良く活用することが今後の勝ちパターンになるだろう。まずは経営層がデジタル化に乗り遅れることのリスクを知り、価値観を改める必要がありそうだ。
<取材・文/望月悠木>
【沢渡あまね】
ワークスタイル&組織開発専門家。あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOOアドバイザー/株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLab所長/ワークフロー総研フェロー。日産自動車、NTT データなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演をおこなう