感染再拡大でも「テレワークを拒む」のは誰か?元凶は経営層の意識の低さにも
地方の中小企業でもテレワークは可能
ただ、いくらメリットがわかっていたところで、「テレワークはIT企業しか導入できない」「中小企業の自分たちには関係ない」という冷ややかな声も散見される。が、実際にうまく活用している事例もあるようだ。
「静岡県浜松市にある従業員50人弱の金属加工製造を営んでいる三光製作株式会社は、いわゆる町工場です。しかし、社内の生産管理の仕組みをすべてIT化したり、訪問営業・ルート営業といった古いタイプの営業に代わりデジタルマーケティングを取り入れ始めたりなど、デジタルワーク化を促進。
そして、社内のデジタル化に加えて、IT分野に強い人材の育成にも積極的に投資し、社内のテレワーク化が進みました。新しい勝ちパターンを見出したおかげで、新型コロナウィルスの登場以前は4割程度だった静岡県外の新規顧客は7割まで増加。先述した通り、IT化によって外部とのコラボレーションが容易になり、地方の中小製造業でありながら外に向けて成長を続けています」
地方・製造業・中小企業でもテレワーク導入は決して難しくなく「現場仕事だからIT化は難しい」「テレワークは所詮大企業の特権」と決めつけ、思考停止することの危険性を口にした。
過去の勝ちパターンにしがみつきたい?
それでは本題のテレワークを廃止したい人の特徴であるが、「一言で言いますと変わりたくない人です」とキッパリ。
「現在の決定権を担っている人は、気合や根性を信条に、飲みニケーションで信頼関係を構築することが勝ちパターンだったかもしれません。テレワークのような、これまでの勝ちパターンを揺るがしかねない働き方は、“自分の存在価値を否定する危険分子”と捉えて排除しようとします。結局、自分が1番慣れ親しんだ勝ちパターンを変えられずにいるのです。
また、待遇悪化も懸念しています。テレワークが普及すると評価制度が見直される可能性が高い。ITに順応できていない人は給料を減らされる危機感を覚え、必死になって従来の働き方に戻そうとしています」
とはいえ、テレワークを廃止したい人もテレワークの恩恵は少なからず受けてきたはず。にもかかわらず、テレワークを終了させる理由として「間違いなくメリットは感じたはずです。ですが、それだけ心地良かった勝ちパターンを復活させたいのでしょう」と半ば呆れながら話す。