10周年を迎える東京スカイツリー、開業時の苦労と「紆余曲折」を担当者に聞く
東京のシンボルといえば、何が思い浮かぶだろう? 来年2022年に10周年を迎える「東京スカイツリー(R)」は、いまや東京のシンボルとして、コロナ禍のライティングで多くの人々に希望を与えた。
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スカイツリーをはじめ、商業施設「東京ソラマチ(R)」やプラネタリウム、水族館などから構成される複合施設「東京スカイツリータウン(R)」も連日多くの人々でにぎわっている。
しかし、開業当初は、色々な苦労もあった。例えば強風によってスカイツリーのエレベーターが停止することも多かったようだ。これまでの10年のあゆみや今後について、東京スカイツリータウン広報事務局の丹羽あゆみ氏に話を聞いた。
東京スカイツリータウン10年のあゆみ
「東京タワーに代わる新しい電波塔が必要になるということで、いくつかの自治体が手を挙げ、墨田区エリアも2005年に東武鉄道とともに表明。2006年3月末に、いまのエリアが建設地として正式決定し、具体的にスタートしています。ただ、建設当初から300mに到達するぐらいまでは、メディアからはあまり注目されませんでした」
東京タワーの高さを超えて日本一の建物になりはじめた頃からメディアでも取り上げられるようになったスカイツリー。その頃から、建設現場近くに多くの人が訪れて写真を撮っていくことが増えてきたのだとか。
新タワーのネーミングは、公募と全国投票により2008年6月10日に「東京スカイツリー」に決定。2009年にはカラーデザインが決定し、地上鉄骨工事を開始した。また、2011年3月18日にはすでに634mに到達。そのあいだには東京ソラマチを管理・運営する会社(東武タウンソラマチ株式会社)が設立されたほか、スカイツリーの公式キャラクターも決定している。
強風での停止と展望台へ上れないお客様も
しかし、やっとオープンに漕ぎつけたあとも、強風によるトラブルが発生してしまう。
「風が強くて展望台に昇れないという状況が数年間続き、お客様を残念な気持ちにさせていました。これは、背丈が高いスカイツリーが風の影響で揺れるのに伴いエレベーターのロープも同じように揺れ、安全のために停止させていたことによるものです。冬場は風が強いことも多く、晴れていて富士山が見える状況なのに展望台に昇れないということもありました。そこで、建設会社やエレベーター会社の方々と協議を重ね、2015年ぐらいから工事に着手。2017年ぐらいからは、ほとんど止まらなくなりました」
開業から2~3年は「風が吹くと展望台に昇れない」など、不名誉な代名詞が付きまとっていたと言うが、いまでは台風クラスの風が吹いても展望台に上ることができる。